恋心・・第7話「約束」
「ゴホ!!ゴホ!!」
「昨日雨に濡れて帰って来るからやで!!」
穂茅は黙って体温計を取り出した。母はそれを受取り眉間にシワを寄せた。
「38度7分。今日はお休み。ゆっくり寝ときっ!!」
母が部屋から出ていき穂茅はベットに寝転がった。
(どうせ学校何か行く気分ちゃうし、丁度よかった・・)
穂茅はゆっくりと目を閉じた。
コンコン・・
目を覚ますと夜の11時前だった。返事をするとゆっくりとドアが開いた。
「風邪大丈夫け??」
「良太!??ゴホ!!ゴホ!!」
「いきなり喋んなって!!」
良太は勝手にテレビをつけ部屋の中でくつろぎ出した。
「風邪ひいてるんやし出てってよ」
「少しぐらいええやんけ」
「誰のせいで風邪ひいたと思ってんの・・」
「はっ!!??お前なんでそんな機嫌悪いねん??熱でも上がってきたんけ??」
良太はベットの横に座り、穂茅のおでこに手をあてた。
パンッ!!
穂茅はとっさにその手を叩いた。
「いてっ!!さっきからなんやねんっ!!」
「良太が約束破るし悪いんやろ!!」
「約束??何それ??・・はあ〜。そんなんどうでもいいけど、そんなイライラしてたら余計に熱上がんぞ」
(・・・そんなんどうでもいい・・??)
「・・・って」
「へ??」
「出てってよっ!!今すぐ部屋から出てってっ!!!!」
穂茅はベットから立ち上がり、ドアを開けて良太を部屋の外に追い出した。
「なんやねんっ!!」
「良太の顔なんか一生見たくないっ!!」
穂茅は勢いよく部屋のドアを閉めた。
「ちょっと待てって!!おいっ!!」
良太は穂茅の部屋のドアを叩いた。穂茅は鍵を閉めてフラつく足でベットに戻り布団に潜った。
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