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紫陽花(3)

[631] 愛の助 2011-05-30投稿
とっさに視線をずらし、頭を下げた。

ゆっくりと顔を上げ、彼女見た。

すると、ほんの一瞬。

おそらく他の人には、気づかないぐらいのほんの一瞬、彼女は微笑んだ。

僕は、お焼香済ませ帰路についた。

頭の中は、彼女の微笑んだ意味をひたすら問いただすばかり。

まぶたに焼き付いて離れない‥‥‥



それから2ヶ月が過ぎ、そんな出来事も忘れかけていた2011年夏。

スーツの上着を脱ぎ、ハンカチで汗を拭いながら営業から帰る途中、ある葬儀出くわす。

何気なく目をやると、そこには知った顔があった。


あの時の‥

喪服姿の女性だ。

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