最後の夏休み13
「いや、やるねぇ。」
手を叩きながら池見が近づいてきた。
「いやいや、まさか1日で成果を出すとはな。たいしたもんさ。」
池見はそういって戒に笑いかけた。
「あ、ありがと…」
戒は少し照れくさそうに池見の視線をそらした。
「いや、実際にお礼を言いたいのはこっちの方さ。ありがとう、戒くん。」
そういって所長は戒に頭を下げた。
「いや、そんな所長さんにお礼を言われるなんて」
そう言い掛けたところで戒の膝がガクンと折れる。
身体が石の重たく硬く動かなくなってくる。
全身から汗が吹き出てくる。
今まで感じたことのない疲労感が戒を襲ってくる。
戒は立っていることも出来ず、この場でひざをついた。
「あはは、やっぱり疲れちゃってたか。池見、戒くんを家まで送ってあげてくれ。」
「わかった。」
そういって池見は戒を背中におぶった。
「ああ、戒くん。大事なことを言うのを忘れてたよ。」
所長は今まで基本的に締まりのない顔をしていたが、今は真剣な眼差しを戒に向けていた。
「その魔法の力は決して人前では使わないでほしいんだ。」
「はっ?」
衝撃的な言葉だった。
魔法を人前で使わないでほしい?
今はこんなちっぽけな魔法だが、この先もっと凄い力が手に入るだろう。
そのとき誰にもそれを見せられず、誰にも認めてもらえない。
それなら魔法を使えないのと同じでは?
「ああ、ごめん。誤解を招く言い方だったね。魔法を使わないでほしいのはずっとじゃなくて、僕たちの研究が完成するまでさ。」
「研究っていつ完成ですか。」
戒は不機嫌そうだった。
「研究は結構な段階まで進んでるからね。君が高校生の間には終わるよ。だからそんな怒らないでくれ。」
「別に怒ってなんかいませんよ。ただ、説明が足りなかったんじゃないかと思っただけです。」
「まあ、まあ、今日は疲れているし、その話はまた今度でしよう。」
池見はそういって戒をおぶったまま研究室を後にした。
手を叩きながら池見が近づいてきた。
「いやいや、まさか1日で成果を出すとはな。たいしたもんさ。」
池見はそういって戒に笑いかけた。
「あ、ありがと…」
戒は少し照れくさそうに池見の視線をそらした。
「いや、実際にお礼を言いたいのはこっちの方さ。ありがとう、戒くん。」
そういって所長は戒に頭を下げた。
「いや、そんな所長さんにお礼を言われるなんて」
そう言い掛けたところで戒の膝がガクンと折れる。
身体が石の重たく硬く動かなくなってくる。
全身から汗が吹き出てくる。
今まで感じたことのない疲労感が戒を襲ってくる。
戒は立っていることも出来ず、この場でひざをついた。
「あはは、やっぱり疲れちゃってたか。池見、戒くんを家まで送ってあげてくれ。」
「わかった。」
そういって池見は戒を背中におぶった。
「ああ、戒くん。大事なことを言うのを忘れてたよ。」
所長は今まで基本的に締まりのない顔をしていたが、今は真剣な眼差しを戒に向けていた。
「その魔法の力は決して人前では使わないでほしいんだ。」
「はっ?」
衝撃的な言葉だった。
魔法を人前で使わないでほしい?
今はこんなちっぽけな魔法だが、この先もっと凄い力が手に入るだろう。
そのとき誰にもそれを見せられず、誰にも認めてもらえない。
それなら魔法を使えないのと同じでは?
「ああ、ごめん。誤解を招く言い方だったね。魔法を使わないでほしいのはずっとじゃなくて、僕たちの研究が完成するまでさ。」
「研究っていつ完成ですか。」
戒は不機嫌そうだった。
「研究は結構な段階まで進んでるからね。君が高校生の間には終わるよ。だからそんな怒らないでくれ。」
「別に怒ってなんかいませんよ。ただ、説明が足りなかったんじゃないかと思っただけです。」
「まあ、まあ、今日は疲れているし、その話はまた今度でしよう。」
池見はそういって戒をおぶったまま研究室を後にした。
感想
感想はありません。
「ホッチキス」の携帯小説
- 悪魔さまの言う通り!!『中身のない契約』
- 最後の夏休み34
- 最後の夏休み33
- 悪魔さまの言う通り!!「契約」
- 悪魔さまの言う通り!! 「プロローグ3」
- 悪魔さまの言う通り!! 「プロローグ2」
- 悪魔さまの言う通り!! 『プロローグ』