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アイの実はどんな味?13

[386] 萩原実衣 2011-06-11投稿
抱きしめたい…。

抱きしめられなかった。
俺は、中途半端な自分の想いに比べて、デカ女の涙の重さに、ただ…
動けなかった。

俺は、デカ女が泣き止むまでそこにいた。
そこにいることが精一杯だったから…
デカ女は、泣き疲れて眠ってしまった。

(きっと、覚えてないんだろうな…。)

そんな事を感じながら、俺は、家路に着いた。

翌朝、案の定すっきりした顔でデカ女は、登場した。
「昨日は、ごめんねすっかり酔っ払ってしまったらしいわね。でも、ちゃんとベッドで寝てたわょ(笑)」

「…。」
(やっぱり‥)
でも、俺は、1つだけはっきりした事がわかった。
俺は、デカ女が好きだ!
でも、RIONA に惚れているだけなのかもしれないという不安もはっきりした。

で… 今の俺は、昨日、踏み出せなかった一歩を踏み出せるように、極限まで頑張る事だ。

でなければ、俺は、一生デカ女に片想いで…。
仕事も中途半端なままになってしまう。


俺は、勉強を始めた。
といっても、ファッションではなく、感性を磨くために 芝居、音楽、武芸など…。そして、世界の国々の文化と服飾。

デカ女に言われたカリキュラムだが…

それでも、俺は、自分が少しずつ変わっていくのを感じていた。

この間の俺の特集が好評だったらしく、次の号では、初!海外撮影が決まった。

普通では、インパクトがないと、あの社長が選んだロケ地は…トルコ!!
いきなり、トルコだ。

ハワイとかオーストリアとかイタリアじゃねぇなんて…。
発想力の素晴らしさに唖然としてしまった。

そして…。

忘れていたもうひとつの事の答えがでた。

あの…白い封筒…。

それは、ジロさんがこの間俺のためにモデルをやってみせた時のデカ女の写真と依頼状という事がわかった。

あの時の写真をジロさんは、かつてのアメリカのプロダクションに送ったようだった。

そのプロダクションからのモデルとしての仕事の依頼らしい。

そりゃあ、悩むな…。

ジロさんいわく、あと23週間のうちの答えを出さないといけないようだ。
デカ女は、悩んでるのか??
逃げてるのか??

俺のトルコ行きが2週間後に迫っていた。

最近大分モデルとして解ってきだしたね!と 肩を叩くデカ女。
(それでも、まだまだらしい)

決めた!!

「ねぇ?今日、軽く付き合ってくんない」
俺は、デカ女を誘った。

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