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天使のすむ湖51

[300]  雪美  2006-09-12投稿
 七月になり、期末テストの結果も、桜井が一位、俺が二位に終わった。
女子の言う一緒にお勉強は嘘ではない、香里の自宅の書斎を図書館代わりに学んでいた。普通の図書館や学校の図書館では、女子が見つけるとうるさくて、とても勉強をする環境ではない。
桜井と一緒にいると、なぜか写真を撮らせてくれとか言われて、落ち着く間が無いのだ・・・
すっかり学校では桜井と相馬は出来てると噂でもちきりである。
この湖は素の俺に戻れる唯一の場所なのだ。

しかし、このごろ暑いせいか、妙なことに気がついた。
人にはそれぞれ体臭があると言うが、香里はイチゴのような甘酸っぱい匂いがして、心地良いし、岬は清潔感のある石鹸の香りがしている。
桜井のは、最近気が付いたのだが、リンゴのような匂いがして、まさか、香水じゃないよなーなんて、妙なことが気になり始めていた。
「桜井、変なこと聞いて良いか?」
「なに?」
とマジな顔して、俺を見ている。
「お前さー香水とかつけてないよな〜」
するとニヤニヤと桜井はして、
「そんなわけ無いだろう〜香水は嫌いだからな〜相馬、俺に興味出てきたんだろー白状しなさいー」
言うんじゃなかったと、後悔しても遅かった。
「そうじゃないけど、リンゴみたいな匂いがするなーと思ってさー」
「よく言われるよー何にもつけてないけどなー」
男は汗臭いという奴がいるけど、奴のは女みたいな中性的な不思議な香りがしていた。性格もどちらかというと、中性的魅力があり、俺は香里に岬に桜井になにやってんだろうと、たまに思う、それはそれなりに、妙なバランスの取れた関係だと自分に言い聞かせていた。

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