悪魔の天使 (5)
「リア、何してるんだい?」
どこか怒っているような声に、リアはとられていた手のことを思い出した。
慌てて手を引く。
さっきまで強かったレクスの手には、ほとんど力が入っていなかった。
「えっと…おば様…」
とっさに口を開いたが次の言葉が出てこなかった。
「リア、お前は下がっていなさい。」
「…はい……。」
リアはその言葉に部屋へ戻ろうとした。
すると背を向けた直後、いきなり後ろに引かれた。
驚きで声も出なかった。
そのまま後ろを振り向くとレクスだった。
指先に口づけられた。
そして、そのままの体勢で囁かれた。
『私の使用人、リズを外に待たしてあります。』
それに従って下さい、と。
リアは頷きもせず一礼してその場をあとにした。
「ティーアス卿、申し訳ありません。つい、リア様が気になったもので。」
「あれはやめておいた方がよろしかろう。そんなことよりも例の件について話を聞かせていただきたい。」
大広間の奥にある小部屋の一角を示した。
レクスは小さく頷くとそこへ向かうのだった。
どこか怒っているような声に、リアはとられていた手のことを思い出した。
慌てて手を引く。
さっきまで強かったレクスの手には、ほとんど力が入っていなかった。
「えっと…おば様…」
とっさに口を開いたが次の言葉が出てこなかった。
「リア、お前は下がっていなさい。」
「…はい……。」
リアはその言葉に部屋へ戻ろうとした。
すると背を向けた直後、いきなり後ろに引かれた。
驚きで声も出なかった。
そのまま後ろを振り向くとレクスだった。
指先に口づけられた。
そして、そのままの体勢で囁かれた。
『私の使用人、リズを外に待たしてあります。』
それに従って下さい、と。
リアは頷きもせず一礼してその場をあとにした。
「ティーアス卿、申し訳ありません。つい、リア様が気になったもので。」
「あれはやめておいた方がよろしかろう。そんなことよりも例の件について話を聞かせていただきたい。」
大広間の奥にある小部屋の一角を示した。
レクスは小さく頷くとそこへ向かうのだった。
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