馬鹿な男
告白された馬鹿な男が一人
たいして好きでもなかったが
馬鹿な男は告白されること自体
ほとんどないので浮かれて承諾したとよ
だがいざ、付き合ってみるとどうだ
やれ彼女が他の男と歩いてただぁ
やれ彼女が他の男に告白しただぁ
よからぬ事ばかりが耳に入る
だが男は馬鹿だ
馬鹿なほど純粋で
馬鹿なほど信じてた
相変わらず彼女とのデートの日にちすら決まらない
彼女のもっともらしい言い訳を
馬鹿な男はただ鵜呑みにするだけ
メールがこないと馬鹿なりに悩む
他の男と喋ると馬鹿なりに嫉妬する
だがたまにくる彼女の甘えに
幸せを錯覚して喜んでやがんの!
だがさすがにある時馬鹿な男も気づいたとよ
遊ばれてるってさぁ
だが時はすでに遅し
馬鹿な男は恋に恋して抜け出せなくなってた
ただ抜けだすのを怖がってた
彼女への不満も悩みも怒りも閉じ込めて
ナイスなタイミングで彼女からの別れ話
して、別れてみるとどうだこの開放感
好きだったはずだ
信じていたはずだ
だが何かからの開放感を馬鹿な男は感じてたとよ
可哀相な馬鹿な男
それは恋じゃない
恋に恋していただけ
そして馬鹿な男は呟いた
「さて、これからは勉強を頑張ろう!」
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