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青春群像「姫乃木高校演劇部〜夢咲く乙女達〜」2

[618] 柊翔 2011-07-20投稿
現・部長の葵も、茜と同じく宝塚歌劇に魅了されて演劇の世界に足を踏み入れた少女だった。娘役を目指している茜に対して、男役に憧れていた葵は、170センチの長身を生かし、毎回最高の男装を見事に演じていた。そんな葵のファンクラブも出来ている。

「今回の衣装のデザイン出来たよ」

家庭科部と掛け持ちをしている衣装担当の今沢 真琴(いまざわ まこと)がスケッチブックを机の上に広げた。

「今回は、戦争中の話だから、派手な衣装じゃないんだけど、主人公の少年の学ランのズボンは、葵先輩の長足を生かす為に、7分丈にする予定なの…」

「さすが真琴ね」

茜がスケッチブックを見ながら言った。

「葵先輩の長足を見たら、またファンが増えますよ」
ニヤニヤしながらスケッチの手直しをする真琴。

「…ごめんごめん!」

と、そこへ台風…ではなく。脚本・演出担当の三年生、前原 遥(まえはら はるか)が部室に駆け込んで来た。

「遥先輩。また遅刻でっかぁ」

真琴が笑った。

「あんたが関西弁使いな」

鞄を椅子にひっかけ、椅子に座り込む遥。

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