姫と吸血鬼
―みーんな皆消えちゃえばいいんだぁ…
コンコン
「失礼します。お嬢様、cecilia(セシリア)様がおみえになっておられます」
そう言って来たのは、私の執事allan・leveridge(アラン・レヴェリッジ)。
黒髪に男にしてはやや低めの身長。私が幼く両親を亡くしたときにこの屋敷にやって来た。この屋敷、ただ一人の執事。
色々不明な奴だわ。
「ええ。今行くわ」
「かしこまりました」
―廊下
『やっぱかっわいい〜』
(なんか嫌な予感が…)
ガチャ
「あ、clare(クレア)!」
そう真っ先に私に飛びついて来たのは、幼馴染みのcecilia・lefanu(セシリア・ルファヌー)。オレンジ色のドリルサイドテールをしていて、私より……少しだけ身長が高い。
「今日は何よ」
「んとね〜可愛いお洋服持ってきて遊んでたの〜」
……
「…どうしたらこのようなことになるのかしら」
私の瞳には紛れもなく私の執事が見えた。それも―女装姿の。
「やめなさい。私の下僕に手をださないでちょうだい」
「だって、allan(アラン)すっごく可愛いんだもの」
ecilia(セシリア)の後ろに涙目で座ってるallan(アラン)が見えた。女と言ってもばれなそうなくらい、かわ……わっ私なに言ってるのよ!そっそんな趣味なんて…!
「お嬢様、どうかなされましたか?」
「なっにゃにもないわよっ!!」「そうにはおみえませんが」
くすすっとallan(アラン)が笑った。
「……とりあえずあんた着替えなさいよね」
「はい、かしこまりました」
「つまんないの〜」
ecilia(セシリア)がぶすっと言った。
「やっと落ち着いたわね…」
「全くだわっ」
あんたのせいでしょ……とつっこむのはやめた。
「ecilia(セシリア)、そんなに毎日来なくていいのよ」
「だって暇だも〜ん」
ecilia(セシリア)はあははと笑って言った。
「……私は一人で大丈夫よ。今はallan(アラン)も居るし…」
「お嬢様…」
シーンとした部屋が重く感じた。
「それに…」
「それに、お父様とお母様を殺したのは―この私よ」
第2話へ続く〜
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