a-tear
いつになったら忘れられるんだろう
そんな事ばかり考えていた
君はもういないのに
君はもう前に進んでいるのに
私だけが
いつまでも取り残されている
私だけが
前に進めないでいる
ーーーーー小6の夏。
それが始まりだった。
周りからしてみれば
「たかが子供のー・・・」
「どうせ小学生だろ」
などと思うかもしれない。
けど、私にとってあの夏は、
かけがえのないモノだった。
本当に、大切なモノだった。
失ってから、気付く事ってあるんだね。
第一章
始まり
ーーーー今日から2学期。
楽しかった夏休みもあっという間に終わってしまった。
またあの退屈な日々が始まる・・・。
そんな事を考えながら、美亜は自分の教室へと足を踏み入れた。
黒板には新しい席順が書かれてあり、先に来ていた数人のクラスメイト達は釘付けになっていた。
美亜も、ランドセルを置いて黒板に向かう。
美亜は一番窓側の席だった。横は若干優等生の男子。
(うえぇ〜)
美亜はどちらかというと不真面目な生徒に入る部類だった。
授業態度もどちらかというと悪く、宿題もどちらかというと適当にやり、まぁ、「どちらかというと」と言うほどでもなく、素行が悪い生徒だった。
そんな美亜の隣が優等生なら、間違いなく度々注意されるのが関の山だ。
うなだれながら、また黒板をチェックする。
後ろは悠斗、まぁまぁ仲良い男友達。
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