最後の夏休み27
何故葵がこんな格好をしているのか、どうして窓を割って飛び込んできたのか戒にはよく理解出来なかった。
しかし、ここにいる葵はいつもの暗くて弱々しい雰囲気とは違い、凛としてまっすぐな瞳をしていて凄く綺麗で見惚れてしまっていた。
葵が来て気が緩んだのか、不意に戒の身体に今までの痛みに加えて、恐ろしいほどの疲労感が押し寄せてきた。
今気を失うわけにはいかないと戒は精一杯耐えようとするが、それとは裏腹に戒の身体はその場でうずくまってしまう。
腕の炎はとっくに消えていた。
手は意識を保つために自分の胸元をつかんでいる。
戒がその場で膝をついたことに驚いたのか明は兄の名を泣きそうな声で必死に呼んだ。
「戒…ごめんなさい…。」
そう呟いた声が聞こえた。
戒は消えそうな意識の中、声のしたほうに目を向けると葵が今にも泣きそうな表情でこちらを見ていた。
「なんだぁい、君は。そんな変な格好をして何かのコスプレかな。」
男が葵に話しかけた。
「くくくくく、いつもならねぇ、君みたいに獲物が増えると歓迎するんだけどねぇ。今僕は戒にい君とお話中なんだ。邪魔しないでくれるかな。」
葵は戒から男へと視線を向ける。
先ほどの悲しい表情とは一変し怒りを露にした表情で。
「殺す…。」
そう呟いていたかと思った瞬間葵の姿が戒の視界から消えた。
しかし、ここにいる葵はいつもの暗くて弱々しい雰囲気とは違い、凛としてまっすぐな瞳をしていて凄く綺麗で見惚れてしまっていた。
葵が来て気が緩んだのか、不意に戒の身体に今までの痛みに加えて、恐ろしいほどの疲労感が押し寄せてきた。
今気を失うわけにはいかないと戒は精一杯耐えようとするが、それとは裏腹に戒の身体はその場でうずくまってしまう。
腕の炎はとっくに消えていた。
手は意識を保つために自分の胸元をつかんでいる。
戒がその場で膝をついたことに驚いたのか明は兄の名を泣きそうな声で必死に呼んだ。
「戒…ごめんなさい…。」
そう呟いた声が聞こえた。
戒は消えそうな意識の中、声のしたほうに目を向けると葵が今にも泣きそうな表情でこちらを見ていた。
「なんだぁい、君は。そんな変な格好をして何かのコスプレかな。」
男が葵に話しかけた。
「くくくくく、いつもならねぇ、君みたいに獲物が増えると歓迎するんだけどねぇ。今僕は戒にい君とお話中なんだ。邪魔しないでくれるかな。」
葵は戒から男へと視線を向ける。
先ほどの悲しい表情とは一変し怒りを露にした表情で。
「殺す…。」
そう呟いていたかと思った瞬間葵の姿が戒の視界から消えた。
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