悪魔の天使 (15)
しゃがみこんでじっとしていたリアを、そっと温かいものが包み込んだ。
「…ゼイル?」
肩に黒い執事服がかかっている。
「お嬢様、大丈夫ですか?」
「う…ん……。」
「部屋に戻りましょう。お体に障ります。」
「うん、分かった。」
ふわふわのベッドに倒れ込むように仰向けになる。
リアは一瞬の淡い夢に引き込まれた自分が嫌だった。
「バッカみたい……!」
腕で目を覆う。
「お嬢様、そういえばレクス様からこれを。」
「捨てといて。」
「しかし…お嬢様に似合いそうで可愛らしいですよ、これ。」
「いらない。捨てといて。」
「…はい……。」
扉が閉まる音がする。
リアはそれからしばらくそのままの体勢でいた。
だんだん意識が遠退いていく。
ゼイルが帰ってくると、主人は規則的な呼吸を繰り返すばかりだった。
「こんな格好でお休みになられたら風邪を召されますね。」
一歩主人に近寄った。
起こさないように着替えさせ、寝かせる。
温かい布団をかけ、明かりを消した。
「お休みなさいませ、お嬢様。」
静かに言って一礼する。
そして静かに扉を閉め、途中止めの仕事に戻るのだった。
「…ゼイル?」
肩に黒い執事服がかかっている。
「お嬢様、大丈夫ですか?」
「う…ん……。」
「部屋に戻りましょう。お体に障ります。」
「うん、分かった。」
ふわふわのベッドに倒れ込むように仰向けになる。
リアは一瞬の淡い夢に引き込まれた自分が嫌だった。
「バッカみたい……!」
腕で目を覆う。
「お嬢様、そういえばレクス様からこれを。」
「捨てといて。」
「しかし…お嬢様に似合いそうで可愛らしいですよ、これ。」
「いらない。捨てといて。」
「…はい……。」
扉が閉まる音がする。
リアはそれからしばらくそのままの体勢でいた。
だんだん意識が遠退いていく。
ゼイルが帰ってくると、主人は規則的な呼吸を繰り返すばかりだった。
「こんな格好でお休みになられたら風邪を召されますね。」
一歩主人に近寄った。
起こさないように着替えさせ、寝かせる。
温かい布団をかけ、明かりを消した。
「お休みなさいませ、お嬢様。」
静かに言って一礼する。
そして静かに扉を閉め、途中止めの仕事に戻るのだった。
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