悪魔の天使 (17)
レクスはまだ大広間の中にいた。
しかし誰とも話さず、考え事に更けっていた。
あの時……。
「レクス様、なぜあの方なのですか?あの方のどこが良いのですか?」
彼女は傷むような目をしたあと、手をそっとレクスの胸に当てた。
そして静かに身体を預ける。
この状態を人に見られたら、変な誤解を受けかねない。
だからと言って強引に押し返す訳にもいかない。
レクスは悩んだ後、そっと彼女を離した。
それが彼女の癇に障ったのか、彼女は腕をレクスの首に回した。
「あの方、いえ、リアお姉様よりはましなはずですですわ。ね?」
そう言い終わると彼女の顔が寄った。
そして唇に柔らかいものが当たる。
この感触には覚えがあった。
仕事で何度も感じたことがある。
愛してもないのにする口づけはなにも感じない。
それなのに。
彼女とリアは気付いていたのだろうか。
あの行為に気持ちなんて入ってなかったことに。
(案外こういうことには疎そう。)
そんなことを考えながらふと隣を見た。
「あ。渡すの忘れてた。」
レクスはその忘れ事をリズに託した。
そして、また考え事に更けるのだった。
しかし誰とも話さず、考え事に更けっていた。
あの時……。
「レクス様、なぜあの方なのですか?あの方のどこが良いのですか?」
彼女は傷むような目をしたあと、手をそっとレクスの胸に当てた。
そして静かに身体を預ける。
この状態を人に見られたら、変な誤解を受けかねない。
だからと言って強引に押し返す訳にもいかない。
レクスは悩んだ後、そっと彼女を離した。
それが彼女の癇に障ったのか、彼女は腕をレクスの首に回した。
「あの方、いえ、リアお姉様よりはましなはずですですわ。ね?」
そう言い終わると彼女の顔が寄った。
そして唇に柔らかいものが当たる。
この感触には覚えがあった。
仕事で何度も感じたことがある。
愛してもないのにする口づけはなにも感じない。
それなのに。
彼女とリアは気付いていたのだろうか。
あの行為に気持ちなんて入ってなかったことに。
(案外こういうことには疎そう。)
そんなことを考えながらふと隣を見た。
「あ。渡すの忘れてた。」
レクスはその忘れ事をリズに託した。
そして、また考え事に更けるのだった。
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