携帯小説!(PC版)

トップページ >> 恋愛 >> 月色。?

月色。?

[397]  緋月  2005-12-17投稿
 私たちは、幼いながらも、多分愛し合っていたんだと思う。だから本当は、元気なまま、キョウと会っていたかった。
 彼方くんを亡くしているキョウだから、受け止めてくれるだろうという安心感。彼方くんを亡くしているキョウだから、傷つけるだろうという罪悪感。そんな相反する想いを私は抱えていた。
 彼を悲しませることは目に見えているけど、私にはどうすることも出来ない。
「いつ死ぬか解らないんだけど、何か…。」
「ん?」
「何かね、もうすぐなんじゃないかと思うの。ここ最近、発作の回数増えてるし。どんどん体力が削がれていくのが分かるの。」
「そう。」
伏目がちに隣のブランコに座る彼に、愛しさを感じていた。それでも私の口は、傷つける言葉を吐き出すことしか出来なかった。
「もうすぐ、サヨナラかもね。」
「じゃあ、記念に何かしようか!」
さっきの顔が、嘘みたいに。
弾けるような、楽しそうな。
そんな笑顔で、こう言った。
「今度、夜にここに来よう?」
私は無意識に頷いた。

感想

感想はありません。

「 緋月 」の携帯小説

恋愛の新着携帯小説

サーバ維持用カンパお願いします。
WebMoney ぷちカンパ

Twitterで管理人をフォローする

利用規約 - サイトマップ - 運営団体
© TagajoTown 管理人のメールアドレス