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悪魔の天使 (21)

[300] 暁 沙那 2011-08-09投稿
白い腕はリアを掴むことなく地面に落ちた。

リアと似た金の髪が肩から滑り落ちる。

「―――?」

雫が地面に落ちた。

「どうして?」

力なく座り込んだルカは何かを握り締めて泣いていた。

「すぐに帰るって、そう言ってたのに……!何で!?独りにしないでよ……。」

(そうなんだ……。寂しいんだね?あなたも独りなんだ。)

「…ディル……。」

ざわっと妙な胸騒ぎがした。

「…いから……。」

調子が明らかにさっきと違う。

そう感じたときには場所も変わっていた。

上には薄暗い空が広がっており、目の前には廃教会があった。
辺りは不気味にざわついているし、少し肌寒い。

「…ディル……。」

ルカの顔には淡い笑みが浮かべられている。

ルカは廃教会に入ってしまった。
リアも後に続く。

そこにあったのは一つの髑髏。

(何をする気なの?)

ルカの顔からフッと笑みが消えた。

「許さない……。」

前聞いた声からは想像も出来ないくらいの低い声で言った。
まさに地の底から響くような声……。

かと思えば、今までで一番優しい声音で…

「愛してる……。」

――周りが消えた……。

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