悪魔の天使 (22)
「リア?」
「え……?」
「どうかした?」
レクスの呼びかけに我に帰る。
「何でもないよ?」
リアはそう答えてから俯いた。
知らず知らずのうちに顔をしかめて、物思いに耽っていたリアは、気付かなかった。
レクスがこちらを覗き込んでいることに。
「な…何?」
「もしかして、なんだけど…」
――見たの?
声ではなかったけど、口の動きで分かった。
そして愉悦の混じったこえで聞いてきた。
「見たの?」
「見たって…何を?」
「誰かを」
「誰かって、誰?」
さあ、と吐息だけで答えられる。
レクスの口元には不敵な笑みが宿っていた。
瞳には優しさなんて欠片もない。
その色の暗さにリアは思わず身が竦んだ。
それを認めてレクスはくすっと笑う。
そしてリアの頬を優しく撫でた。
「――っ……や……。」
悲鳴にならない悲鳴が出る。
それを聞いたレクスは楽しむかのような声で言った。
「何?まだ日も暮れきってないっていうのに誘ってんの?」
「違っ…!」
反論と同時に出た手はレクスに易々ととられる。
「っ!?」
彼の手の強さに顔をしかめる。
生理的に涙が出た。
レクスはそれを感情の読めない目で見るだけだった。
「え……?」
「どうかした?」
レクスの呼びかけに我に帰る。
「何でもないよ?」
リアはそう答えてから俯いた。
知らず知らずのうちに顔をしかめて、物思いに耽っていたリアは、気付かなかった。
レクスがこちらを覗き込んでいることに。
「な…何?」
「もしかして、なんだけど…」
――見たの?
声ではなかったけど、口の動きで分かった。
そして愉悦の混じったこえで聞いてきた。
「見たの?」
「見たって…何を?」
「誰かを」
「誰かって、誰?」
さあ、と吐息だけで答えられる。
レクスの口元には不敵な笑みが宿っていた。
瞳には優しさなんて欠片もない。
その色の暗さにリアは思わず身が竦んだ。
それを認めてレクスはくすっと笑う。
そしてリアの頬を優しく撫でた。
「――っ……や……。」
悲鳴にならない悲鳴が出る。
それを聞いたレクスは楽しむかのような声で言った。
「何?まだ日も暮れきってないっていうのに誘ってんの?」
「違っ…!」
反論と同時に出た手はレクスに易々ととられる。
「っ!?」
彼の手の強さに顔をしかめる。
生理的に涙が出た。
レクスはそれを感情の読めない目で見るだけだった。
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