悪魔の天使 (23)
「何で泣くの?」
「…泣いて…んかっ……ない…痛っ…!」
途切れ途切れ言った言葉はリア本人でも分かってなかった。
ただ押さえつけられている手首が痛くて、自由な足だけでもがく。
「離し…!」
言い終わらないうちに体勢を変えられた。
手は掴まれたままだったが。
リアは手が痛くないことに少なからず安堵した。
だがそれも束の間の安堵だった。
後ろに回された手の方からちゃり、と聞こえる。
何かと思い後ろを振り向こうとすると、
「振り向いたらダメだよ?分かった?」
手に軽く口づけられた。
彼の顔が離れる気配がする。
リアは溜まっていた息を吐き出した。
そのすぐ後に体が重くなるのを感じて、レクスの方を向いた。
「…何を!?」
「ん?ああ、まだ動けるんだ。」
レクスがそう言うと手首に冷たいものが当たった。
それと同時に体からどっと力が抜けた感じがする。
座っているのも辛くてレクスに体を預けた。
羞恥に身体が熱くなるのを感じる。
疲労感に身体が重くなるのを感じる。
何も分からなくなって……。
意識が飛んだ。
真っ暗闇に包まれて。
誰かが優しく髪を撫でている気配がする。
手は温かくて大きくて。
安心感に包まれて
全てを委ねた。
「…泣いて…んかっ……ない…痛っ…!」
途切れ途切れ言った言葉はリア本人でも分かってなかった。
ただ押さえつけられている手首が痛くて、自由な足だけでもがく。
「離し…!」
言い終わらないうちに体勢を変えられた。
手は掴まれたままだったが。
リアは手が痛くないことに少なからず安堵した。
だがそれも束の間の安堵だった。
後ろに回された手の方からちゃり、と聞こえる。
何かと思い後ろを振り向こうとすると、
「振り向いたらダメだよ?分かった?」
手に軽く口づけられた。
彼の顔が離れる気配がする。
リアは溜まっていた息を吐き出した。
そのすぐ後に体が重くなるのを感じて、レクスの方を向いた。
「…何を!?」
「ん?ああ、まだ動けるんだ。」
レクスがそう言うと手首に冷たいものが当たった。
それと同時に体からどっと力が抜けた感じがする。
座っているのも辛くてレクスに体を預けた。
羞恥に身体が熱くなるのを感じる。
疲労感に身体が重くなるのを感じる。
何も分からなくなって……。
意識が飛んだ。
真っ暗闇に包まれて。
誰かが優しく髪を撫でている気配がする。
手は温かくて大きくて。
安心感に包まれて
全てを委ねた。
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