悪魔の天使 (25)
「え……?…契約?」
契約。
それは妖魔とそれを使う者、主との力の繋がり。
主は欲しいものを力によって手に入れる。
妖魔は主の血と力を手に入れる。
主は妖魔を契約によって縛る。
妖魔は契約によって主に縛られる。
契約の強さによっては逃れられるが、場合によっては……。
「逃げられない。」
トクン、と嫌な風に胸が脈打った。
「大丈夫。一番強い契約は出来ないから。」
「次に強いのなら、契約する妖魔の同意なしでも…」
「できるね?だからだよ?その契約したの。」
今までのと何一つ変わらない笑顔で話すレクス。
(何かむかつく……。)
少しいらっとしたが何とか押さえ込む。
「叔母様の差し金かなんかですか?」
「半分正解。」
「半分?」
リアがそう問うと急にレクスから今までの笑顔が消えた。
変わりに怪しげな笑みが宿った。
「これ以上は聞かないでね?」
「命令?」
「そう。命令。」
髪を一房掬い上げ口づけを落とす。
上目遣いに小さく言った。
「もう逆らえないし、逃げられない。」
そう言われた途端、胸が熱くなった。
怒りだ。
「――っによ!」
目の奥が熱い。
「私はあんたの奴隷になってあげるつもりなんてないんだから!!
だいたい何よ!?
勝手に契約なんてして、私のことは無視!?
やっぱあんたも他の奴らと一緒ね!
最っ低!」
つい今までの契約者のことを思い出した。
最初はニコニコして優しくしてくれた。
でもちょっと抵抗するとすぐに手のひらを返した。
暴力を振るうたり、嫌がることを無理矢理しようとしたり。
また彼もそうするのか。
否応なしに手が震える。
怒りと恐怖。
どうしようもなくてレクスを睨み上げた。
と、いきなり体が前に寄せられて……。
抱きしめられるかたちになる。
「ごめん……。」
「何を戯れ言を……!」
「恨むなら恨んでいいよ?君の許可なく勝手に契約して。」
リアからはレクスの顔は見えなかった。
でも本心から謝ってくれた気がして。
嬉しい反面、心には闇があった。
(やっぱりまだ駄目だ。私はもっと……。)
彼に体を預け、そっと目を伏せた。
契約。
それは妖魔とそれを使う者、主との力の繋がり。
主は欲しいものを力によって手に入れる。
妖魔は主の血と力を手に入れる。
主は妖魔を契約によって縛る。
妖魔は契約によって主に縛られる。
契約の強さによっては逃れられるが、場合によっては……。
「逃げられない。」
トクン、と嫌な風に胸が脈打った。
「大丈夫。一番強い契約は出来ないから。」
「次に強いのなら、契約する妖魔の同意なしでも…」
「できるね?だからだよ?その契約したの。」
今までのと何一つ変わらない笑顔で話すレクス。
(何かむかつく……。)
少しいらっとしたが何とか押さえ込む。
「叔母様の差し金かなんかですか?」
「半分正解。」
「半分?」
リアがそう問うと急にレクスから今までの笑顔が消えた。
変わりに怪しげな笑みが宿った。
「これ以上は聞かないでね?」
「命令?」
「そう。命令。」
髪を一房掬い上げ口づけを落とす。
上目遣いに小さく言った。
「もう逆らえないし、逃げられない。」
そう言われた途端、胸が熱くなった。
怒りだ。
「――っによ!」
目の奥が熱い。
「私はあんたの奴隷になってあげるつもりなんてないんだから!!
だいたい何よ!?
勝手に契約なんてして、私のことは無視!?
やっぱあんたも他の奴らと一緒ね!
最っ低!」
つい今までの契約者のことを思い出した。
最初はニコニコして優しくしてくれた。
でもちょっと抵抗するとすぐに手のひらを返した。
暴力を振るうたり、嫌がることを無理矢理しようとしたり。
また彼もそうするのか。
否応なしに手が震える。
怒りと恐怖。
どうしようもなくてレクスを睨み上げた。
と、いきなり体が前に寄せられて……。
抱きしめられるかたちになる。
「ごめん……。」
「何を戯れ言を……!」
「恨むなら恨んでいいよ?君の許可なく勝手に契約して。」
リアからはレクスの顔は見えなかった。
でも本心から謝ってくれた気がして。
嬉しい反面、心には闇があった。
(やっぱりまだ駄目だ。私はもっと……。)
彼に体を預け、そっと目を伏せた。
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