悪魔の天使 (26)
昔からそうだった。
誰にも甘えれなくて、寂しかった。
『あと一年待ってて。絶対迎えに行くから。』
彼は優しい声音で、小さな子供にそうするように撫でた。
『覚悟決めといてね?』
不敵な笑みで
『君は俺のもの。だから他の男のとこに行っちゃダメだよ?』
あれからしばらくたった。
「あの人どうしてるのかしら。」
窓から外を見つめ呟く。
「レクス様のことが心配ですか?」
途端弾かれたように後ろを振り返る。
「し…心配!?はっ!そうね、心配かって言われたら心配かもね。でも、それはこれのせいだから!」
早口に言って、首元に掛けてあるネックレスを指差す。
「契約解いてくんないと困るからよ!」
「はあ。」
少し息を切らして力説する。
気恥ずかしくなって思わず立ち上がった。
「どちらへ?」
「ちょっと書庫から本でも借りてくるだけよ!」
少し乱暴にドアを閉めた。
書庫へ着くと本の匂いがした。
たくさんの魔法書が置いてある。
その中の一冊を手に取った。
中でも古そうな一冊に手を触れた。
周りを目だけを動かして確認する。
(誰もいない。)
確認し終えると軽く背表紙を叩いた。
移転の魔法。
一瞬のうちに本が消えた。
それを認めると、何事もなかったかのようにまた本を物色するのだった。
誰にも甘えれなくて、寂しかった。
『あと一年待ってて。絶対迎えに行くから。』
彼は優しい声音で、小さな子供にそうするように撫でた。
『覚悟決めといてね?』
不敵な笑みで
『君は俺のもの。だから他の男のとこに行っちゃダメだよ?』
あれからしばらくたった。
「あの人どうしてるのかしら。」
窓から外を見つめ呟く。
「レクス様のことが心配ですか?」
途端弾かれたように後ろを振り返る。
「し…心配!?はっ!そうね、心配かって言われたら心配かもね。でも、それはこれのせいだから!」
早口に言って、首元に掛けてあるネックレスを指差す。
「契約解いてくんないと困るからよ!」
「はあ。」
少し息を切らして力説する。
気恥ずかしくなって思わず立ち上がった。
「どちらへ?」
「ちょっと書庫から本でも借りてくるだけよ!」
少し乱暴にドアを閉めた。
書庫へ着くと本の匂いがした。
たくさんの魔法書が置いてある。
その中の一冊を手に取った。
中でも古そうな一冊に手を触れた。
周りを目だけを動かして確認する。
(誰もいない。)
確認し終えると軽く背表紙を叩いた。
移転の魔法。
一瞬のうちに本が消えた。
それを認めると、何事もなかったかのようにまた本を物色するのだった。
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