『生きる』ということ。<2>
「はいっ!着いたよ!」
男の子は少女の腕を放した。
「ここってー…ただの丘じゃないっ!」
「あっち見てっ!」
男の子は街の方を指差す。
相変わらず、街は明るかった。
「どう…?キレイでしょ」
「別に……」
少女は素っ気なく答える。
「………………」
男の子はまた考え込んだ。
「じゃあ…ここに寝て!」
「はあ!?なんでよっ!」
「いーから、いーから!」
「もう、何なのよ…!」
少女は渋々、草の上に寝た。
「…わあぁっ…!!」
少女の目には、夜空いっぱいに散らばった星が写っていた。
「キレイでしょ?」
男の子は、少女の隣に寝た。
「……うん………」
少女は星空を見つめながら頷いた。
「ここね…僕の秘密の場所なんだ…」
男の子はニコッと笑った。
男の子はいきなり起き上がり、
「僕、大塚聖。12歳。君は?」
と尋ねた。
「……秋山羽琉…14…」
羽琉はボソッと呟くように言った。
「14歳かぁ…じゃあ、お姉ちゃんだねっ!」
聖はまたニコッと笑う。
「あんた…こんな時間に何してんの…?」
「う〜ん……散歩…?」
(パジャマにニット帽…どう見ても、散歩してるようには見えないんですけど…)
「小学生はさっさと帰って寝な…」
羽琉は立ち上がる。
聖は、羽琉の袖口を掴んだ。
「!?」
「もう少しだけ…ここにいて…。」
「……」
羽琉はその場にまた座った。
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