悪魔の天使 (31)
久しぶりに夢を見た。
『確か、もう一年たったのよね。』
金が舞う。
『私たちが出会ったのは奇蹟なの。』
少女らしい愛らしい笑みだ。
『愛してる。』
ほんのり頬を色付かせながらも、堂々と言う。
『愛してるわ。』
そんな彼女から不意に笑みが消えた。
『あなただけはどこにも行かないでね?』
――私を捨てないで。
いつの間に眠ってしまったのだろう。
リアはゆっくりと起き上がる。
金の髪が肩から滑り落ちて、青い瞳を隠した。
リアはそれにも構わず、先程の夢の意味を考える。
と、ベッドのはしにある何かに当たった感じかした。
素早く手元を見下ろす。
途端、勢いよく手を引いた。
触れていたのはレクスだったのだ。
寝ているのか規則的な呼吸が聞こえてくる。
リアは息を呑んで、その顔を見た。
黒髪が少し乱れている。
髪と同じ色をした瞳は閉じられていて見えない。
シャツは上の二つが外されていて、肌が少し露になっている。
隙間から覗く肌に気付いたリアの顔が、一気に熱を持った。
バッと身を勢いよく引いて、口元を押さえる。
否応なしに顔が赤くなるのを感じた。
(どうしよう……。落ち着かなきゃ……。落ち着け。落ち着け、私!)
どうにかしようと必死になって考えるが、上手く頭が回らない。
そうやって小さくパニックになっているところに
「んー……。」
小さく聞こえた声に驚いた。
口を押さえたままでいなければ、声が出ていたに違いない。
しばらくそのままで固まっていたが、あの呼吸が聞こえてきてほっとする。
リアは口から手を離し、そっとレクスの髪に伸ばした。
触った黒は思ったよりさらさらしている。
しばらく撫でていると、レクスの方から低い笑い声が聞こえてきた。
驚いて手を引こうとすると、逆にその手を取られる。
「きゃ!?」
「何で止めるの?」
「それはそっちがいきなり……脅かすから。」
「脅かしてなんかないけど。そっちが先に色々してきたんじゃない。」
「う…ん……。それはそうだけど……。」
レクスは悪戯っぽい笑みを浮かべると、ベッドに上がり、リアの隣に横になった。
そして、また眠りにつくのだった。
(ずっと側にいてくれたんだ。)
リアは先程と同じようにレクスの髪を撫でながら呟いた。
「ありがとう。」
たった一言、優しく。
『確か、もう一年たったのよね。』
金が舞う。
『私たちが出会ったのは奇蹟なの。』
少女らしい愛らしい笑みだ。
『愛してる。』
ほんのり頬を色付かせながらも、堂々と言う。
『愛してるわ。』
そんな彼女から不意に笑みが消えた。
『あなただけはどこにも行かないでね?』
――私を捨てないで。
いつの間に眠ってしまったのだろう。
リアはゆっくりと起き上がる。
金の髪が肩から滑り落ちて、青い瞳を隠した。
リアはそれにも構わず、先程の夢の意味を考える。
と、ベッドのはしにある何かに当たった感じかした。
素早く手元を見下ろす。
途端、勢いよく手を引いた。
触れていたのはレクスだったのだ。
寝ているのか規則的な呼吸が聞こえてくる。
リアは息を呑んで、その顔を見た。
黒髪が少し乱れている。
髪と同じ色をした瞳は閉じられていて見えない。
シャツは上の二つが外されていて、肌が少し露になっている。
隙間から覗く肌に気付いたリアの顔が、一気に熱を持った。
バッと身を勢いよく引いて、口元を押さえる。
否応なしに顔が赤くなるのを感じた。
(どうしよう……。落ち着かなきゃ……。落ち着け。落ち着け、私!)
どうにかしようと必死になって考えるが、上手く頭が回らない。
そうやって小さくパニックになっているところに
「んー……。」
小さく聞こえた声に驚いた。
口を押さえたままでいなければ、声が出ていたに違いない。
しばらくそのままで固まっていたが、あの呼吸が聞こえてきてほっとする。
リアは口から手を離し、そっとレクスの髪に伸ばした。
触った黒は思ったよりさらさらしている。
しばらく撫でていると、レクスの方から低い笑い声が聞こえてきた。
驚いて手を引こうとすると、逆にその手を取られる。
「きゃ!?」
「何で止めるの?」
「それはそっちがいきなり……脅かすから。」
「脅かしてなんかないけど。そっちが先に色々してきたんじゃない。」
「う…ん……。それはそうだけど……。」
レクスは悪戯っぽい笑みを浮かべると、ベッドに上がり、リアの隣に横になった。
そして、また眠りにつくのだった。
(ずっと側にいてくれたんだ。)
リアは先程と同じようにレクスの髪を撫でながら呟いた。
「ありがとう。」
たった一言、優しく。
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