世界で一番ヒカリたい
第1話「空き地」
風が気持ちいい。何故かわからない。昨日は風邪をひいていた。だるさがない。毎年この夏になると頭が痛くなるのに。
この爽快な気分は悠也からのメールを見た後だった。
悠也メール『この夏休みに南川が帰って来るんだってよ?美沙から聞いた?お前幼稚園の頃あいつとキスばっかしてたもんな?今でもおぼえてます?あーあほみたい?』
竜阿「はぁ!うぜー、はーうぜえ。…つーか光帰って来るんかぁ、何年ぶりかなぁ、早く会いたいなぁ…」
光は幼稚園の時に東京から引っ越しした。どこに引っ越したかなんておぼえてない。その時俺が光の引っ越しに猛烈に反対したことしか…
竜阿「なぁ引っ越ししないでよ、たのむよおじさん。光がいないと俺…」 光「…」
おじさん「竜阿くんごめんよ、本当にごめん。今のおじさんにはこれしかいえないよ。」
竜阿「絶対帰って来てよ。」
おじさん「あぁ。」
竜阿「約束だよ!絶対だよ!」
おじさん「あぁ、約束だ。」
竜阿「やったぞ光。」
光「にこっ」
と事なきを終えたんだ。
竜阿「ふぅー、そろそろ家に帰るか。」
光「竜阿くん」
竜阿「!」
光「竜阿くんでしょ。昔からいつもこの空き地のベンチが好きだったよね」
この空き地にはベンチが2つだけのシンプルな造りだ。空き地の上には大きな道路が通っている。
竜阿「南川!?」
光 「あーやっぱり竜阿くんだ顔が変わってない。鼻が高くなってるけど。」
竜阿「南川か。」
光「そうだよ、光だよ。てゆーかなんで光って言ってくれないのー。幼稚園の時光って呼んでくれてたじゃん。」
竜阿「いや、恥ずかしかったから…」
光「ばーか。竜阿くん!」
竜阿「うわ!」
(キス)
竜阿「何すんだよ!」
光「えっ、だめだった…」
竜阿「いや、ダメじゃないけど。」
光「そうなんだぁー竜阿くんただいま!」
竜阿「うわあ!」
さっき吸ったたばこのにおいにきずかれないか気掛かりだった。
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