悪魔の天使 (32)
レクスが目を覚ましたのは、あれから二時間くらい後だった。
リアはレクスが起きるまでの間、いつかと同じように移転させた魔法書を読んでいた。
夢中になって読んでいたからか、あまり時間は感じない。
逆に時間が早く感じた。
「おはよう、って言うべきなのかしらね。」
「今、何時?」
レクスはまだ眠いのか、どこかボーッとしながら聞いた。
そんなレクスに苦笑を浮かべながら答える。
「えっとね、午後の一時くらいかしら。」
「午後一時……。結構寝てたね、俺。」
まだどこか朧気だ。
「…リア?」
ぼんやりと呟くように名前を呼ばれた。
「そうよ?まだ眠いの?だったらもうちょっと眠ったら?」
「別に…いい……。気力で何とかする。……ただ…」
グラリとレクスの身体が前に傾いた。
リアの肩にレクスの顎が乗っかった。
リアが支えられるくらいの体重をかける。
「しばらくこうしていちゃ駄目?」
手が重なり合った。
リアの指の間にレクスの指が滑り込む。
「別にいいよ、こうしてても。」
助けてくれた少しのお礼に、手を握り返す。
(ちょっとだけだから。付け上がらないでよ?)
心の中で言った。
契約者なら通じると思って。
そう望んで。
リアはレクスが起きるまでの間、いつかと同じように移転させた魔法書を読んでいた。
夢中になって読んでいたからか、あまり時間は感じない。
逆に時間が早く感じた。
「おはよう、って言うべきなのかしらね。」
「今、何時?」
レクスはまだ眠いのか、どこかボーッとしながら聞いた。
そんなレクスに苦笑を浮かべながら答える。
「えっとね、午後の一時くらいかしら。」
「午後一時……。結構寝てたね、俺。」
まだどこか朧気だ。
「…リア?」
ぼんやりと呟くように名前を呼ばれた。
「そうよ?まだ眠いの?だったらもうちょっと眠ったら?」
「別に…いい……。気力で何とかする。……ただ…」
グラリとレクスの身体が前に傾いた。
リアの肩にレクスの顎が乗っかった。
リアが支えられるくらいの体重をかける。
「しばらくこうしていちゃ駄目?」
手が重なり合った。
リアの指の間にレクスの指が滑り込む。
「別にいいよ、こうしてても。」
助けてくれた少しのお礼に、手を握り返す。
(ちょっとだけだから。付け上がらないでよ?)
心の中で言った。
契約者なら通じると思って。
そう望んで。
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