『生きる』ということ。<11>
「「ごめんなさい!」」
ここは病院。
二人の目の前にはあの時の看護師さんと、聖の担当の医師が顔を見合わせている。
羽琉達は、あのあと病院に帰り、今にあたる。
「もう、こんな事しないって約束出来る?」
「はい…。すみません。」
「…帰りなさい。」
‐ガラッ‐
「失礼しました…。」
二人は、ペコリと頭を下げると部屋から出た。
「おーい!羽琉〜聖〜!」
廊下を歩いていると、窓の外から聞き覚えのある声がした。
「こっち来いよ!遊ぼうぜ!」
駿だった。
他の子達もいる。
「うん!今行く。」
羽琉と聖は庭に出た。
「!!」
そこには薫がベンチに座っていた。
聖はまだ気付いて無い。
「聖…。駿達の所に行ってて…。」
「うん…。」
「………」
羽琉は軽く頭を下げた。
そして薫の前に立った。
「…あ…の……」
「座れば?」
薫は微笑を浮かべながら言った。
「……はい。」
羽琉は薫の隣に座った。
「…あの……」
羽琉は恐る恐る口を開く。
「ごめんなさい!!」
羽琉は立ち上がり、頭を下げた。
「…は、はい!?」
「あの、さっきは失礼な事を言って…」
「…いや…謝るのはこっちの方だよ…。」
「え…?」
「聖の気持ち考えないで自分勝手だった…それに気が付かせてくれたのは、羽琉ちゃんだよ…ありがとう。」
薫はニコッと笑った。
「おーい!羽琉もこっち来いよ〜!!」
「……」
「行って来な。」
「……はい。」
羽琉はニッコリと笑いながら頭を下げた。
そして、駿達の方へ向かった。
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