悪魔9
「俺、彼女と別れたさ」
彼女がいることさえ知らなかったのに
急に言われた
「お前が居たから、だよ」
何を言ってるかわかんなかった
「え、」
けいさんはそっぽを向いてしまってそれ以降追求できなかった
帰り際
「俺、今日もお前のこと車で送りたいんだけど」
何が言いたいのかわからなかった
何を考えてるのか見当もつかなかった
「じゃあお願いします」
前とおんなじように助手席にあたしを座らせ
前と同じように深呼吸をひとつついた
「好きだよ」
急な告白であった
「あたしも、あたしもすきです」
咄嗟に言葉が出ていた
「付き合ってほしい、でも少しだけ時間をくれ」
あたしはこくこく頷いた
けいさんは優しく微笑んで
あたしの頭を優しく撫でた
つづきます
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