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写心

[310]  leaf→leaves  2006-09-14投稿
無意味なコトをするね、ささやかに笑う。レンズに投影する姿がやはり綺麗で、思わず問い詰めたくなる。一枚、レンズを閉じて紙に影を落とした。無意味なコトとは云いながらも、笑顔でカメラを向かい入れた姿。一人じゃ寂しいからと二人で無機物に笑顔をみせる。また一枚、写真は創り出され紙にやかれた。
限りが無いように思われる部屋の一室。衰えない時間。ありきたりだけれども、二人は世界の際まで一緒に居たいと願う。終焉の訪れが紙一重に近寄るコトも知らず、部屋の無限空間に危機感は皆無だった。それでも二人は二人のままで、無限は無限のままで続く、淡い期待をしていた。
カメラがぽつり、撮す姿なく置いてある。紙一重の終焉が無限世界に漏洩して、部屋は刹那に崩れてしまった。
写真は何枚撮ったろう、彼女はどれだけ残ったろう。テーブルや床に散乱する写真の中で、泣いた。いくら写真で思い出したって、動かない影。二人で撮った写真も動かない。デジタルな彼女をどんなに残したって、アナログな連続した日々は戻らなかった。
無意味なコトをするね。痛く沁み残る、ホント無意味だった。もがくために意味を持った写真になって……部屋はいつしか普段の有限世界と同調していた。

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