『生きる』ということ。<16>
そこには花を挿した花瓶を手にした看護師さんがいた。
あの時の看護師さんである。
「来ていたんだね…」
「………」
花瓶を机に置く。
少し羽琉を見ると
「痩せたね…ちゃんとご飯食べてる?」
と、心配そうに聞く。
「そんな事より…っ!」
羽琉は、いきなり看護師さんの肩を掴む。
「聖が…もう逝っちゃうって、本当ですか!?」
羽琉の目には、今にも零れそうなくらい涙が溜まっていた。
「…聞いたのね」
「じゃあ…」
「えぇ、本当よ…もう、目を覚ます事も無いかもしれないって…」
「……そうですか」
羽琉は手を離してまた、聖の方を向く。
「小澤さーん!ちょっと来てもらってもいい?」
他の看護師さんの声がした。
「あ、はーい今行きます!じゃあね…」
-ガラッ-
看護師さんは病室を出ていった。
「…聖、起きてよ…また私に笑いかけてよ…」
羽琉は呟く。
「また海行こうって…約束したじゃん…
聖が笑ってないと淋しいじゃん…聖、お願いだから目を開けて…」
-ピクンッ-
聖の身体が微かに動いた。
「聖…?」
「……ん」
聖はゆっくりと目を開ける。
「聖…!!」
「羽琉ちゃん…?」
「聖、よかった!
あ、今看護師さん呼んでくるから!」
羽琉が立ち上がると、聖が腕を掴む。
「羽琉ちゃん…泣いてる…?」
「な…泣いてないよ!本当に泣いてないから!」
羽琉は目に溜まった涙を拭きながら、急いで看護師さんを呼びに行った。
あの時の看護師さんである。
「来ていたんだね…」
「………」
花瓶を机に置く。
少し羽琉を見ると
「痩せたね…ちゃんとご飯食べてる?」
と、心配そうに聞く。
「そんな事より…っ!」
羽琉は、いきなり看護師さんの肩を掴む。
「聖が…もう逝っちゃうって、本当ですか!?」
羽琉の目には、今にも零れそうなくらい涙が溜まっていた。
「…聞いたのね」
「じゃあ…」
「えぇ、本当よ…もう、目を覚ます事も無いかもしれないって…」
「……そうですか」
羽琉は手を離してまた、聖の方を向く。
「小澤さーん!ちょっと来てもらってもいい?」
他の看護師さんの声がした。
「あ、はーい今行きます!じゃあね…」
-ガラッ-
看護師さんは病室を出ていった。
「…聖、起きてよ…また私に笑いかけてよ…」
羽琉は呟く。
「また海行こうって…約束したじゃん…
聖が笑ってないと淋しいじゃん…聖、お願いだから目を開けて…」
-ピクンッ-
聖の身体が微かに動いた。
「聖…?」
「……ん」
聖はゆっくりと目を開ける。
「聖…!!」
「羽琉ちゃん…?」
「聖、よかった!
あ、今看護師さん呼んでくるから!」
羽琉が立ち上がると、聖が腕を掴む。
「羽琉ちゃん…泣いてる…?」
「な…泣いてないよ!本当に泣いてないから!」
羽琉は目に溜まった涙を拭きながら、急いで看護師さんを呼びに行った。
感想
- 41600:生きるということ…毎回読んでます…[2011-10-13]
- 41601:ありがとうございます! 久しぶりの投稿で申し訳ございませんm(._.)m -黒魔法 天使-[2011-10-14]