悪魔の天使 (49)
青い海、緑の草、色とりどりの花。
少しだけ潮の香りを纏った風が金の髪を掬った。
リアは髪を白い手で軽く押さえ息を吸い込む。
「もうあれから半年経つのかぁ。」
軽く呟くと後ろから覆い被さるようにして腕を回された。
「レク?」
その腕に手をやり、上目に問うといつもの笑みが返ってきた。
「どうしたの?」
「それはこっちのセリフだよ。リアこそこんなとこで何やってんの?」
レクスがリアの頬に軽く口づけると、リアはくすぐったそうに小さく笑った。
「海よ、海見てたの。」
「海?いつでも見れるのに?」
「何でか分かんないけど今見たかったの。ほら、見て!今は光で海がキラキラしてるでしょう?私この景色、好きよ。」
海は穏やかに波打ち、光が反射されている。
「リアはここに来て幸せ?」
リアは思いもよらぬ質問に目を瞬かせた。
しかし、その質問の意味を悟ると笑みを少し消した。
「レクがどう思ってるかは知らないけど、私は幸せよ。あの家は追い出されたけど、代わりにレクの家に正式に嫁ぐことができたんですもの。」
あの後、リアはすぐに家を出された。
しかし、アスペルト家はティーアス家を徹底的に調べあげ、ある事実を発見した。
今までリアは養子、リアの姉妹は本家と言われてきた。
しかし、それは真実の正反対だった。
『あの娘が正式なティーアス家の一人娘であり、正当次期当主ってことが分かったわ。レクス、あの娘うちに呼びなさい。早いうちに正式な結婚式するわよ。』
レイは色々張り切っていた。
そんなこんなでレクスはリアを見つけだし、アスペルト家に入れた。
これで血筋的にも何の問題もない。
早いうちにもらっておかないと、どこかの男に取られる可能性が高かった。
『リア、うちは歓迎してるよ。』
手を差し伸べるとリアは大人しく手をとった。
今は二人でいたいというリアの頼みを聞いて、ここにいる。
リアはレクスが思ったよりもずっと楽しんでくれている。
「そろそろ中に入ろう。お菓子あるよ。」
「うん、分かった。行こっか。」
二人はお互いの手を重ねて、屋敷に入った。
――さよなら。
少しだけ潮の香りを纏った風が金の髪を掬った。
リアは髪を白い手で軽く押さえ息を吸い込む。
「もうあれから半年経つのかぁ。」
軽く呟くと後ろから覆い被さるようにして腕を回された。
「レク?」
その腕に手をやり、上目に問うといつもの笑みが返ってきた。
「どうしたの?」
「それはこっちのセリフだよ。リアこそこんなとこで何やってんの?」
レクスがリアの頬に軽く口づけると、リアはくすぐったそうに小さく笑った。
「海よ、海見てたの。」
「海?いつでも見れるのに?」
「何でか分かんないけど今見たかったの。ほら、見て!今は光で海がキラキラしてるでしょう?私この景色、好きよ。」
海は穏やかに波打ち、光が反射されている。
「リアはここに来て幸せ?」
リアは思いもよらぬ質問に目を瞬かせた。
しかし、その質問の意味を悟ると笑みを少し消した。
「レクがどう思ってるかは知らないけど、私は幸せよ。あの家は追い出されたけど、代わりにレクの家に正式に嫁ぐことができたんですもの。」
あの後、リアはすぐに家を出された。
しかし、アスペルト家はティーアス家を徹底的に調べあげ、ある事実を発見した。
今までリアは養子、リアの姉妹は本家と言われてきた。
しかし、それは真実の正反対だった。
『あの娘が正式なティーアス家の一人娘であり、正当次期当主ってことが分かったわ。レクス、あの娘うちに呼びなさい。早いうちに正式な結婚式するわよ。』
レイは色々張り切っていた。
そんなこんなでレクスはリアを見つけだし、アスペルト家に入れた。
これで血筋的にも何の問題もない。
早いうちにもらっておかないと、どこかの男に取られる可能性が高かった。
『リア、うちは歓迎してるよ。』
手を差し伸べるとリアは大人しく手をとった。
今は二人でいたいというリアの頼みを聞いて、ここにいる。
リアはレクスが思ったよりもずっと楽しんでくれている。
「そろそろ中に入ろう。お菓子あるよ。」
「うん、分かった。行こっか。」
二人はお互いの手を重ねて、屋敷に入った。
――さよなら。
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