子供水先案内人13
ひとしきり泣いて、気がすんだ。妙に気持ちが落ち着いてきて、男が聞き出すでもなく、口が勝手に動いていた。
「咲ちゃんは、生まれて七ヶ月でガンだって言われたんだ、あと一年もつかどうかだって。それを、」
頑張ったんだ
「咲ちゃんは六年生き抜いたんだ。」
それを
「君は見てたんだな。だが、何故自殺などした?」
咲ちゃんが
「ここ一週間ずっと危ない状態が続いてたんだ。それが昨日から危篤になって、もう先生がもたないだろうって。」
だから、
「咲ちゃんの変わりに僕が・・・・僕も、ガンなんだ。あちこちに転移して、骨にまでなっちゃったからもう手の施しようがないんだって。」
どうせ
「持って行くなら僕の魂を持って行けって、神様と死神に言って自殺した。」
男は少年の頭を、
くしゃくしゃ
に撫で、それから肩を
ぎゅ
と掴んだ。
「君は、男だなぁ。」
しかし
「命を粗末にするな。あの子の分まで君が残りの人生を生きなければ。」
男は肩を掴む手に少し力を込めた。
「君にも、残された時間で出来ることはあったんだ。あの子の事を考え、想ってやる事。」
それが
「あの子に、いやあの子の魂に生きる生命力(ちから)を与えてやれるんだ。」
・・・
「死ぬ、べきじゃなかた?・・。」
ああ
「だがしかし、君は男として立派だよ。」
どうでも
「いいよ、僕は・・咲ちゃんを・・守れなかったんだから・・。」
男は、
ふぅわり
破顏った。
いいや、
「守れるさ。それが君の“望み”ならね。」
「咲ちゃんは、生まれて七ヶ月でガンだって言われたんだ、あと一年もつかどうかだって。それを、」
頑張ったんだ
「咲ちゃんは六年生き抜いたんだ。」
それを
「君は見てたんだな。だが、何故自殺などした?」
咲ちゃんが
「ここ一週間ずっと危ない状態が続いてたんだ。それが昨日から危篤になって、もう先生がもたないだろうって。」
だから、
「咲ちゃんの変わりに僕が・・・・僕も、ガンなんだ。あちこちに転移して、骨にまでなっちゃったからもう手の施しようがないんだって。」
どうせ
「持って行くなら僕の魂を持って行けって、神様と死神に言って自殺した。」
男は少年の頭を、
くしゃくしゃ
に撫で、それから肩を
ぎゅ
と掴んだ。
「君は、男だなぁ。」
しかし
「命を粗末にするな。あの子の分まで君が残りの人生を生きなければ。」
男は肩を掴む手に少し力を込めた。
「君にも、残された時間で出来ることはあったんだ。あの子の事を考え、想ってやる事。」
それが
「あの子に、いやあの子の魂に生きる生命力(ちから)を与えてやれるんだ。」
・・・
「死ぬ、べきじゃなかた?・・。」
ああ
「だがしかし、君は男として立派だよ。」
どうでも
「いいよ、僕は・・咲ちゃんを・・守れなかったんだから・・。」
男は、
ふぅわり
破顏った。
いいや、
「守れるさ。それが君の“望み”ならね。」
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