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永遠の子供たち?

[230]  四君子 月  2006-09-14投稿
「何か、俺に用か?」
仕方なく、こんなありきたりな質問をする。
「だからあ、なんでそんなところにいるの?式はあっちだよ」
少女が校庭の中央を指差す。まだ幼さを残す、その指で。
准はまた戸惑った。
なんでこんな少女が、俺を始業式なんぞに誘うのか。
「あっちいってろ」
ふう、とひとつため息をつき、
邪魔そうに言った。これで、追い払えるだろう。
声をかけられる前のように、准は、木にもたれかかり、腕を組んだ。
そして、瞳を、閉じた。
拒絶の合図である。

風が、心地よかった。
今年は、例年より寒く、始業式だというのに、桜の花はつぼんだままだった。
その太い幹に寄りかかり、准は静かに立っていた。
眠っているようにも見え、瞑想をしているようにも見えた。
准が声をかけられないのには、その風貌のせいもあった。
学ランを着てはいたが、ボタンは全てはずし、中のシャツも少しはだけていた。
背中までかかる髪は、染めているようにしか見えなかった。
だが、それだけなら、ここまで避けられるようなこともなかっただろう。
雰囲気・・・とでもいうのか。なにか、准のまわりには、見えない壁のようなものがあった。
それはとてもぴりぴりとしていて、うかつに触れたら、こちらの手が切られてしまいそうだった。

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