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貴方に...*第6話*

[305] †Haruka† 2011-12-07投稿
〜第6話・君の側に・1〜

静かな喫茶店...。コーヒー豆を煎る音が響く。
そんな静かな場でハルヒと海斗は黙っていた。
「ハルヒちゃん...?」
最初に喋ったのは海斗だった。
「大丈夫?」
ハルヒは顔を上げて、泣き顔から凛とした表情に切り替えた。
「すいません。平気です」
「そっか..」
海斗は静かに立ち上がり、元の席に座った。
駄目...。人に頼っちゃ...。人を信じちゃ駄目。いずれ裏切られる。
「お待たせしました。コーヒーとカフェオレです」
カシャンと静かな音が鳴り響く...
ハルヒはコーヒーを一口飲み
「これで最後です」
「え?」
ハルヒの突然の言葉に海斗は驚いた。
「もうこれ以上私にかまわないで下さい。私に話しかけないで下さい」
ハルヒはそれだけ言うと
「失礼します」
立ち上がり、そのままお店を後にした。
これ以上誰にも関わっちゃいけない。自分が傷つくだけ...もう....。
取り残された海斗はただただ呆然としていた。
「追いかけなくていいんですか?」
店主が話しかけてきた。
「でも...」
「きっと彼女は何か昔あったんでしょう。」
「え?」
「あれ程人を拒むなんて...深い傷でも負ったのでしょう」
「...」
「もぅ答えは見えているようですね..?」
海斗は走った。ハルヒを追いかけて必死に...
ハルヒはその時、近くの公園にいた。
「はぁ...」
これでいつもの生活に戻れる。
「...っ」
ハルヒの目から涙が溢れた。
なんで?これでよかったはず...なんで泣いてんのよ...
ハルヒは泣いた。声も出さず静かに...
「ハルヒちゃん!!」
その時、海斗の声が聞こえた。
なんで..
海斗は肩で息をしながら
「見つけたっ」
笑顔で言った
海斗は息を整え、ハルヒを真っ直ぐ見た。
「俺、ハルヒちゃんの側にいたい!友達になりたい!」
海斗は力強くいった。
ハルヒは涙を流しながら海斗を見た。
なんなのこいつ。なんで私にかまうの...
「ハルヒちゃんに何があったか知らないけど...それでも俺はハルヒちゃんの側にいたい」
うるさい...うるさい。やめてよ...どうせ裏切るじゃない...
「俺裏切らないよ」
突然の言葉にハルヒは驚いた
つづく

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