携帯小説!(PC版)

トップページ >> 恋愛 >> 天使のすむ湖55

天使のすむ湖55

[263]  雪美  2006-09-15投稿
花火も終わりを迎えて、キヨさんに電話連絡してから、待ち合わせ場所まで歩こうとして、階段付近に差し掛かったときに、香里は右側から崩れるように倒れこんだ。俺は落ちないように必死で抱えて、
「香里−香里ー誰か、すみませんが救急車を呼んでください。お願いします。」
叫ぶように言い続けた。二、三度も言っただろうか、救急車をよんだよーと人ごみから声がした。俺は動揺を隠しきれないながらも、香里は苦しそうな呼吸をしていて、顔は青ざめて、冷や汗が出ている。
無理だったのだろうか・・・そんな後悔も出てきていた。
しばらくして、救急車で近くの総合病院に運ばれた。
集中治療室に香里は運ばれて、少し落ち着いてから、キヨさんに着替えを持ってきてもらうように、病院内は携帯は禁止なので、公衆電話を探してかけた。
後悔と、情けなさと不安が入り混じり、どうして良いのかさえよくわからないまま時間だけが過ぎていた。治療室から出ても、苦しそうな呼吸は変わらず、ICUに移された。そのままその日は、病院に入院することになった。
後悔を口にする俺に、キヨさんは
「そんなに責めなくてもいいんじゃないかな、一樹さんと夏祭りに行くのーってすごく嬉しそうでしたもの・・・」
そう言ってくれたが、俺はまだ、自分自身を責め続けていた。これで良かったのか、自信がなくなっていた。長い夜が、不気味に思えて、俺は香里の手を握り、よくなってほしいと祈り続けていた。
キヨさんは、一度帰ってまた何かあれば知らせると約束をした。

感想

感想はありません。

「 雪美 」の携帯小説

恋愛の新着携帯小説

サーバ維持用カンパお願いします。
WebMoney ぷちカンパ

Twitterで管理人をフォローする

利用規約 - サイトマップ - 運営団体
© TagajoTown 管理人のメールアドレス