運命の契約書£001-2
約20分後――
「……これで、いいのか?」
物置部屋をあさりにあさって見つけた服。
それを身に付け、俺は鏡の前に立っていた。
今俺が着ている服……それは、
ティーシャツにジーパン!!
という、もの凄くラフな格好だった。
これといって特徴のない、ティーシャツ×ジーパンの組み合わせ。
しっくりこないが……他に無いし、これでいこう。
●
「――やっべ、もう15時じゃねぇか!」
俺は今、走っている。
理由は言わなくてもわかるだろ?
……待ち合わせの時間に遅刻しているからだ。
遅刻しそうなんじゃない、既に現時点で遅刻しているのだ。
「っ……まだ居んのかな?」
廃ビル近くに金髪黒服の男が居なかったらどうしよう。
時間に遅れたから能力はやれないとか言われたら……。
――と、無意識に嫌なことばかりを想像してしまう。
考えたくない事に限って、脳が勝手に考え始めてしまうのだ。
「俺の脳め……、後で鉄拳制裁だ!!」
あほなことを言いながらも、俺は走り続ける。
脳に鉄拳制裁……どうやるのか自分でも全く想像がつかないが、それについて考えている暇はない!
「……あ!」
廃ビルが見えてきたな…と思いながら走っていた俺の前に、ひとりの男が現れた。
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