運命の契約書£001-3
俺は足を止め……男を見た。
金髪黒服、たぶんこの男が待ち合わせの相手だろう。
早くメールの事を聞きたかったが、俺は男に話しかける気にならなかった。
何故なら――
「中学生…?」
男の外見が、どこからどうみても中学生の餓鬼だったからだ。
身長は低いし、顔も童顔。へたしたら小学生かもしれない…
そんな男――いや、少年は俺の姿を見つけ、
「兄さん!?」
目を見開き、そう言った。
「……は?」
今、こいつ何て言った?
兄さん?
俺にはこんな小さな弟は居ない。
弟は居るが、歳は近いしこんな金髪ちびではない…はず。
知らない間に弟が増えていたとか?…それはないな。
ひとり困惑し、頭を巡らせながら少年を凝視する俺。
少年は視線を特に気にすることもなく、小走りで俺の方へ向かってきた。
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