悪魔の天使 (53)
その後も二人で色々まわった。
そこでレクスが気付いたことは、リアはふわふわのものが好き。
ぬいぐるみも売ってあるただの布も歩いてる犬猫も触りに行く。
たしかに可愛らしかったが限度というものがある。
リアの気付いたことは、レクスは二つの顔をもっているらしい。
人々の態度が人によって違うのだ。
飴をくれたおばちゃんは彼に対して嫌悪感は持っていなかった。
それと対象に宝石類を扱っていた人は明らかに嫌悪していた。
彼はそんなのどこ吹く風と嫌味を嫌味で返す。
正直呆れるほどの幼稚な口喧嘩。
なんてお互い色々思いながら帰る。
「ねえ、レク。」
「ん?」
「今日はありがと。楽しかった。ホント幸せだね、私。」
お互い手を繋いでゆっくりと歩く。
不意にリアが止まった。
「?」
リアは俯いて自分から手を離す。
「リア?」
何も言わない。
「貴方は帰ってきてくれたのね?」
おかしい。
何かが違う。
「ずっと待ってたわ。」
レクスにそっと抱きつく。
(リアじゃない!)
心が騒ぐ。
でも押し離すことはしない。
「彼女」の背に手を回した。
「君は誰?」
耳にそっと囁いた。
「何言ってるの?」
――ディル。
「彼女」は「リア」だけど「リア」ではない雰囲気を纏い、「リア」ではない笑みを浮かべた。
「…ルカ……?」
レクスがそう呼ぶと「彼女」は嬉しそうに笑った。
「よかったぁ!覚えててくれたのね。私、貴方にずっと会いたかったの。でもね、ちょっと我慢できなくて会いに来ちゃった。」
「リアは?」
リアの名を出すとルカから笑みが消えた。
そっと離れる。
リアでさえ見せたことのない顔でレクスを、ルカにとってはディルを静かに読めない表情で見つめた。
「そんなにあの娘が大事なの?私がいながらリアね。また私を捨てる気なのね。裏切り者!」
あの表情とは一変して、怒った表情で睨み上げる。
「何で私だけを見てくれないのよ!!ねえっ!!どうして!?」
ルカはそう叫びながら泣き出した。
(埒が開かない。)
俯いて泣く「ルカ」をよそに「リア」の身体を抱き寄せる。
「リア!起きて!リア!リア!!」
「うるさい!!」
ルカはレクスを押し離すと一定の距離を取った。
「ねえ、私だけを見て。教えてあげる。リアはね――。」
ルカは笑って哀しい言葉を紡いだ。
そこでレクスが気付いたことは、リアはふわふわのものが好き。
ぬいぐるみも売ってあるただの布も歩いてる犬猫も触りに行く。
たしかに可愛らしかったが限度というものがある。
リアの気付いたことは、レクスは二つの顔をもっているらしい。
人々の態度が人によって違うのだ。
飴をくれたおばちゃんは彼に対して嫌悪感は持っていなかった。
それと対象に宝石類を扱っていた人は明らかに嫌悪していた。
彼はそんなのどこ吹く風と嫌味を嫌味で返す。
正直呆れるほどの幼稚な口喧嘩。
なんてお互い色々思いながら帰る。
「ねえ、レク。」
「ん?」
「今日はありがと。楽しかった。ホント幸せだね、私。」
お互い手を繋いでゆっくりと歩く。
不意にリアが止まった。
「?」
リアは俯いて自分から手を離す。
「リア?」
何も言わない。
「貴方は帰ってきてくれたのね?」
おかしい。
何かが違う。
「ずっと待ってたわ。」
レクスにそっと抱きつく。
(リアじゃない!)
心が騒ぐ。
でも押し離すことはしない。
「彼女」の背に手を回した。
「君は誰?」
耳にそっと囁いた。
「何言ってるの?」
――ディル。
「彼女」は「リア」だけど「リア」ではない雰囲気を纏い、「リア」ではない笑みを浮かべた。
「…ルカ……?」
レクスがそう呼ぶと「彼女」は嬉しそうに笑った。
「よかったぁ!覚えててくれたのね。私、貴方にずっと会いたかったの。でもね、ちょっと我慢できなくて会いに来ちゃった。」
「リアは?」
リアの名を出すとルカから笑みが消えた。
そっと離れる。
リアでさえ見せたことのない顔でレクスを、ルカにとってはディルを静かに読めない表情で見つめた。
「そんなにあの娘が大事なの?私がいながらリアね。また私を捨てる気なのね。裏切り者!」
あの表情とは一変して、怒った表情で睨み上げる。
「何で私だけを見てくれないのよ!!ねえっ!!どうして!?」
ルカはそう叫びながら泣き出した。
(埒が開かない。)
俯いて泣く「ルカ」をよそに「リア」の身体を抱き寄せる。
「リア!起きて!リア!リア!!」
「うるさい!!」
ルカはレクスを押し離すと一定の距離を取った。
「ねえ、私だけを見て。教えてあげる。リアはね――。」
ルカは笑って哀しい言葉を紡いだ。
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