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十月十日

[807] ケィ。 2012-01-13投稿
皆さんは金縛りにあった事を、日記に付けていますか?

Kが初めて金縛りにあったのは、14才の時でした。
夜中に目が覚めると体が動かなくて、暫くすると元通りになったものの、とても怖くなりました。

次の日学校で話したところ、物知りな子がいて、
「疲れが溜まるとそうなる事もある、特に中年くらいがそんな話をしている」
と言うので、オヤジくさいというレッテルを貼られましたが、それきりKも安心していました。


次に金縛りにあったのは15歳の時でした。
表で猫が鳴く声で目が覚めましたが、体が動かず、その時はKも部活で疲れていた自覚があったので、ああ、まただな、と思ってそのまま、また眠りました。

次は16才の時でした。
Kの家は一戸建てで、Kの部屋は2階なのですが、下の階の物音で目を覚ますと、また体が動きませんでした。
下で誰かが歩き回ったり、戸にぶつかったりしているようでしたが、父が酔っ払っているんだろうと、気にせず眠りました。

次は17才の時でした。
その時は、階段の下で老婆が呻くような声が聞こえました。
家には母と父と自分だけで、母にしろそんな声は絶対に出さない、まして自分の寝ている場所からこんなにハッキリと聞こえるなんて。
背中が冷や汗でじっとりと湿っているのを感じました。

Kは次の日、気になって自分の日記を読み返しました。


そして、ここ数年自分が金縛りにあっていた記述にぞっとしました。


5月23日

日付は全てその日でした。

Kには心当たりがありません。
子供の頃、肝試しをした事はありましたが、それは皆で神社へ行っただけで、呪われるような場所ではありませんでした。


Kが18才の時、また金縛りにあいました。
階段を登る足音が聞こえ、自分の部屋の戸がひとりでに開いて、扉の陰から白い手がすっと…
そこでKは気を失いました。



その年は、Kの父が亡くなった年でもありました。
父の遺品を整理していると、日記が一冊出て来ました。
Kはその中に父の不倫について書かれているのを見つけてしまい、それを母の目にとまらないように、自分の部屋に持ち帰って読みました。

そこにはある年の10月、不倫相手に子供を下ろさせた事が書かれていました。
女はその時妊娠2ヶ月だったそうです。


Kとは高校を卒業してから会っていません。
元気だと良いですが。

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