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Aの話

[933] ケィ。 2012-01-14投稿
サイコパス診断って有名ですよね。

あの中には、実際に起こった事件を元にしているものもあるらしいですね。

犯罪者には犯罪者の心理がわかる、という。

あるクラスの中心にはいつもAという人がいて、クラスでサイコパスの話題で盛り上がった際に、彼もその診断を受けました。

Aは、全問不正解でした。
「難しいね。けど異常者を見つけるっていうより、推理力を試されてるみたいだ。」

皆はAの言う事になるほど、確かにそうかも、などと相槌をうち、誰かが、
「Aは頭はいいけど、推理は出来ないんだな」
と、本当に素直に、ただ意外だったというように言いました。


次の日、近所で女の子が殺されました。
警察は数日かかって犯人を捜し、現場近くをうろついていたAを見つけました。

警察へ行くとAは、自分がやったと、むしろ誇らしげに供述しました。
犯行前日にサイコパス診断をやっていた事にふれ、
「俺には答えが全部わかっていた。だけど普通の、馬鹿な奴らと同じふりをしていたから、わざと全部外したんだ。
皆があんまりアッサリ騙されるから、堪らなくなって女の子を殺してみた。」
と述べたそうです。


サイコパスの特徴に、『病的な嘘つき』という項目があります。
実際、Aは異常者でしょう。
誰かが、「Aは推理が出来ない」とこぼした時のAの鋭い目を、私は見てしまいました。


しかし、もう1つ、私しか知らない事があります。
Aは犯行があった時間帯、漫画喫茶にいたのです。

私のバイトしている満喫の監視カメラはダミーで、私しかAと接していないのですが(私は目立たない人間なのでAは気づかなかったようです)Aは確かにその時間、自分のブースに閉じこもっていました。


私は、警察が来たら警察に話そうと思っていましたが、彼らは私のところまで来ませんでした。

かわりに『彼』が来ました。

彼は私に口止めしました。
最初は彼がAを憎んではめようとしているのかと思いましたが、彼は秘密を知っている私にさえ、何の悪意も持っていませんでした。

単に、殺意がありました。

どうして女の子を殺したの?

そう尋ねると、彼は、

「女の子は大人と違って天国へ行けるから。」

だから、躊躇わずに殺せるそうです。

私は、死んだら地獄で会うかも知れないので、微妙に嫌なんだそうです。

私はいい人間でいたくないので、Aの事を黙っています。

感想

  • 41965:投稿者本人です。誤字がありました。本文中に『満喫』とありますが正しくは『漫喫』でした。訂正します。[2012-01-15]
  • 41966:※※因みに。Aの自供した理由別職業(偏見):目立ちたかった(厨二)ゲーム・マンガのせい(コメンテーター)精神病院に入るため(警察)本当に自分がやったつもりで(精神科医)[2012-01-15]
  • 41967:後で警察の冤罪を訴える(異常者)警察内部を探る(テロリスト)出所後真犯人を脅す、仲間になる(小説家)死にたかった(メンヘラ)被害者の写真が見たかった(人間失格)自分で被害者の敵を討つため(小学生)など[2012-01-15]

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