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ポップコーンとマシンガン‐2

[449] をん 2012-01-22投稿


ムイムイ。
あいつがそう言った。

ムイムイ。
あいつがそう呼んだ。


世界でただ一人、
着ぐるみを着ていない。

――あのバカが。





少女の叫びが夜に響いた。

僕は思わず後退り、
まじまじと少女を見た。


やっぱり、着ぐるみを
着ているのは
彼女の方だった。

少女は欠伸を洩らし
僕の方へ眼を向ける。

犬歯が鋭く輝いていた。


――眼が合う。


邂逅。
ほんの数秒の..。




でも僕達は、お互いに
気づいた。



――嗚呼。

これは僕だ、と。
こいつは僕だ、って。


そんなことなんて、全く

――意味を
為さないというのに。


全部全部
無駄だってのに。



無為なんだよ。

どいつもこいつも、
なんでもかんでも。

無意なだけ。


無意だ、無為だ。

――無為無意だ。


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