携帯小説!(PC版)

Past†Origin

[485] 有間 総二 2012-01-31投稿
-6年前-

「えー、ただいま入った情報によりますと……」

ラジオか何かだろうか、緊張感のあるアナウンサーの声が遠くから聞こえる

その声で目を覚ましてからどれほど経ったろうか

俺は冷たい鉄に頬をつけ、倒れていた

反対の頬はむしろ熱い


2、3回瞬きをし、やっと状況を把握する

そう、俺は家族と地下鉄に乗り、事故に巻き込まれたのだ


家族とは父さんと母さん、そして2つ年上で中学2年生の兄さんだ


そうだ、皆は……

俺は重い身体をなんとか起こし、辺りを見渡す


「うぅ……」

すると近くに兄さんが倒れていた

怪我は軽いようだ


「兄さん!父さんと母さんは!?」

尋ねると兄さんは震える指で俺の右側を差す

「あっ…ちの、が……れき」


「分かった!ありがとう!」

そう言って瓦礫に近づき、注意深く捜す


「あ!……あ?」

俺は見つけた


いや、見つけてしまった

「あ、あぁ……」

ほとんど形を留めていない赤い<ソレ>

唯一見える部分は、父さんと母さんの顔に似ていた


「あ゙あぁぁぁぁぁぁぁ!!」


-現在-

「よう神那、この前はよくもやってくれたなぁ?」

俺の目の前に立つガラの悪い男は足立大輔

この学校の番長…"だった"男だ

「喧嘩を吹っかけてきたのはお前だろ?」


俺はついこの間、まだ番長だった大輔に喧嘩を売られ、勝ってしまったのだ

「うるせぇ!ぶっ飛ばしてやる!」

流石に問題を起こしたくはないので、俺は穏やかに告げる

「なら今日の放課後、アリーナで決着をつけようじゃないか」


納得した大輔の背中を見送り、俺は溜息をつく

「またあぁいう奴に絡まれるのかよ」

3xxx年、革命的な技術発達により、世界は急成長していた

まず全福祉の無償化

全ての国が法律に記している

次に教育の変化

喧嘩することも子供の成長を促すという理由で、毎日放課後には、体育館で<アリーナ>と呼ばれる決闘を自由に行える

この制度も全ての国が法律によって学校に義務づけている


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