トクベツな君。‐3‐
私はその時、苛立ちと共に放課後の帰り道を歩いていた。
「あっ!!」
海翔との買い物の約束がある事に気づいた。
「今からでも間に合うかな…」
時計を見ると予定時間より、はるかに過ぎている。
もう間に合わない事なんて知っていた。
でも私は、無性に海翔に会いたくなって
大急ぎで、待ち合わせ場所の時計台まで行った。
海翔はいなかった。
「そう…だよね…?」
海翔がもう、帰っちゃってることくらい知っていた。
涙が止まらなかった。
海翔に会いたい。
私は、その事だけで頭がいっぱいになった。
そして、帰ろうとしたその時、
海翔から電話だ。
『…もしもし』
「彩? 今ドコにいんの?」
『………いたい。』
「え? 何か言った?」
『会いたい。』
私の声は、ナミダ声になっていた。
「今行く、すぐ行く。」
海翔は、私が今ドコにいるか知ってるの?
海翔は、今何を考えてるの?
海翔は今、好きな人がいるの?
私は、海翔の事が大好きだよ……。
私は心の中で、そうつぶやいた。
つづく.。o○
感想
- 42015:続き見たい(^^)[2012-03-03]
- 42096:わかた(^ω^)[2012-05-05]