†消えぬ苦しみ†2
少年が歩き続けると
小さな岩穴があった
ちょうど人が住めそうなぐらいのところだ
少年は岩穴の中に入ると地面に藁を敷きそこに少女を寝かせた
「今薬草を採ってきてやるからな」
少年はそう言うと走って岩穴から出ていった
その後少女は目を覚ました
「………?」
少女を辺りをきょろきょろと見渡した
「ここは…?……痛…」
少女は自分の頭に傷があることに気付き痛そうに頭を抱えた
「……痛い…」
「あれ?起きた?」
少年がそう言うと少女は首を傾げながら少年を見つめた
「お兄ちゃんは誰…?」
「僕?僕は零烏(れお)っていうんだ」
「零烏?……じゃあっ私は?」
少女がそう言うと零烏は少し暗い顔をしたがすぐ笑顔にもどった
「記憶を無くしちゃったんだね…」
「記憶…?記憶って?」
「ううん…なんでもない!君の名前は鈴(りん)だよ。僕の…妹だ」
零烏は笑ってそう言うと鈴の頭を撫でた
「鈴は僕の大切な妹だ。
だからお兄ちゃんが鈴を守ってあげるからね」
零烏がそう言うとやっと鈴が少し笑顔になった
「お兄ちゃん…私のお兄ちゃん…」
ぎゅっと鈴が零烏に抱き着いた
「鈴もお兄ちゃんを守るよ…?」
鈴がそう言うと零烏はしっかりと鈴が苦しくない程度に抱きしめた
「有難う…鈴」
それが私たちの出逢いと始まりだった
感想
感想はありません。