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シャーペンの芯を食べる彼女。6話

[472] 大家ヒロト 2012-03-30投稿





ガリガリ


ガリガリ



「美味しいか?」



文房具屋の帰り道、蒼子はつい先程買ったばかりのシャーペンの芯をを嬉しそうに頬張っていた。



………まるで、リスがクルミを食べているみたいだ。



「……純君、ありがとう。私前から色んな種類のシャーペンの芯を食べるのが夢だったの」


「お前……じゃなくて、……<蒼子>の夢は随分小さいな」



すると、蒼子はくすりと笑い。

「だって…小さい夢の方が……



【気楽】



だもの……」



「…気楽……ねぇ」


ガリガリ


ガリガリ…



蒼子はシャーペンの芯をくわえたまま、ぼんやりした顔でうつ向いた。


その時だった。





「純〜〜〜〜〜っ!」

ドスッ


僕の背中に重い何かが、のし掛かってきた。



「うわぁあぁ!!?」

重い何かの衝撃はとてつもなく強く、
僕はコンクリートに顔から突っ込む。






「じゅ、純君!……大丈夫?!」
その一部始終を横から見ていた蒼子は、シャーペンの芯を鞄に素早くしまい、



困った様な顔で




「うわぁ!純、久しぶりじゃん!!もう白ブリーフは卒業したぁ?」




僕の上に乗った重い女子を見つめていた。

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