愛病 6
部屋に戻ってからも太一は不機嫌だった。
スーツを着たままベッドに横になっていた。
『ねぇ、怒ってる…よね。ごめん。』
私がそう言って太一に近づくと、
「もう、黒猫とは遊ぶなよ。鳴かれても飼えないもんは、飼えないんだ。」
と、彼は体を起こして言った。
『ごめん、』
彼は、少し笑って私を抱き締めた。
「夜ご飯にしようか。」
『うん、』
太一は優しかった。
好きだと、改めて感じた。
その日の夜は静かだった。
どこかに行っちゃったのかな、ふとあの黒猫のことを考えた。
綺麗な真っ黒な毛並みと金色の瞳が忘れられなかった。
次の日も、いつも通りに太一に起こされた。
「ミサキ、おはよう。」
『おはよう。太一。』
いつもの太一だった。
太一を仕事に送り出したあと、もう一眠りしようかとベッドに横になった。
うとうとしかけたとき、猫の鳴き声が聞こえた。
また、あの黒猫だ。
そう思ったが無視しようとした。
でも‥‥‥できなかった。
下に降りると、黒猫はまた嬉しそうに私に近づいてきた。
毛並みは相変わらず美しかった。
金色の瞳には吸い込まれそうになる。
この瞳で何をこの子は見ているのだろう。
太一には秘密で黒猫に会うことが何回かあった。
黒猫が来るのは昼間だから、太一は気付いたようすがなかった。
夜に黒猫は来なくなった。
私はひどく黒猫を気に入ってしまっていた。
太一に飼ってくれないかお願いしたかった。
でも、できなかった。
スーツを着たままベッドに横になっていた。
『ねぇ、怒ってる…よね。ごめん。』
私がそう言って太一に近づくと、
「もう、黒猫とは遊ぶなよ。鳴かれても飼えないもんは、飼えないんだ。」
と、彼は体を起こして言った。
『ごめん、』
彼は、少し笑って私を抱き締めた。
「夜ご飯にしようか。」
『うん、』
太一は優しかった。
好きだと、改めて感じた。
その日の夜は静かだった。
どこかに行っちゃったのかな、ふとあの黒猫のことを考えた。
綺麗な真っ黒な毛並みと金色の瞳が忘れられなかった。
次の日も、いつも通りに太一に起こされた。
「ミサキ、おはよう。」
『おはよう。太一。』
いつもの太一だった。
太一を仕事に送り出したあと、もう一眠りしようかとベッドに横になった。
うとうとしかけたとき、猫の鳴き声が聞こえた。
また、あの黒猫だ。
そう思ったが無視しようとした。
でも‥‥‥できなかった。
下に降りると、黒猫はまた嬉しそうに私に近づいてきた。
毛並みは相変わらず美しかった。
金色の瞳には吸い込まれそうになる。
この瞳で何をこの子は見ているのだろう。
太一には秘密で黒猫に会うことが何回かあった。
黒猫が来るのは昼間だから、太一は気付いたようすがなかった。
夜に黒猫は来なくなった。
私はひどく黒猫を気に入ってしまっていた。
太一に飼ってくれないかお願いしたかった。
でも、できなかった。
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