悪魔の天使 (59)
『…失敗……。』
グルグルガウウウ
じゃれてくるドミニエを撫でる。
不思議と落ち着いた。
『フフっ!くすぐったいよ、ドミニエ。大丈夫よ。機会ならいくらでもあるわ。もっと一緒にいられるのよ?』
だから気づかなかった。
私以外のあの一人に。
『ふうん。あんただったの、化け物の飼い主。』
『――っ!?シャローズさん!?何で此処に!?』
咄嗟にドミニエを庇うように前に出た。
『ディエル様はお優しい。』
何が言いたいのか分からなかった。
『あの方は貴様には釣り合わない。お前から手を引け。お前があの方のご家族の命を奪った!お前こそ化け物だ!!』
ガルルルルル
ドミニエが低く唸り、シャローズが剣に手をかける。
『止めてっ!!』
『ほら、躾がなっていないな!ディエル様に報告する!嫌われたな、ルカ・スロイスト。』
シャローズが去っていく。
足音が完全に消える前に、膝から一気に力が抜けたように倒れこんだ。
『うっ…ひっく……。うえっ…うああぁぁぁっ!!!』
大声で泣いた。
ドミニエがすりよって来てくれた。
『ありがとう…ドミニエ…ありがとう……!!』
泣いた。
不安で。
泣いた。
それから暫くして。
『ディエル様は部屋にはいらっしゃらないのです。』
『そう。』
渋々帰ることにした。
その途中。
『ディエル様、昨夜はありがとうございました。』
シャローズの声だ。
『ごめん、痛くなかった?途中で抑えきれなくなって。』
『いいえ。とても上手くて。他の人をとっかえひっかえでもなさってたんですかぁ?』
『ええっ!?』
『フフっ。冗談です。ねえ、ディエル様、また、抱いてくださりますか?』
『うん。でもルカには』
『内緒です。私と結婚してくださるのでしょう?』
『うん。シャローズ、愛してるよ?ルカは、皆を殺した。彼女には死んでもらう。苦しみながらね。』
『良かった。あの人は化け物ですもの。そうよ。助けを乞うまで、いいえ、乞うても助けないで見るの。あんな化け物には似合いの死に方ね。』
私は裏切られた?
ディルに、愛する人に、大好きなのに
殺される?
酷い。
酷い酷い酷い!
殺してやる!!
私を裏切る奴、殺そうとする奴。
みんなみんな殺してやる!!
これは私があの儀式をしようとする
三日前のことだった。
グルグルガウウウ
じゃれてくるドミニエを撫でる。
不思議と落ち着いた。
『フフっ!くすぐったいよ、ドミニエ。大丈夫よ。機会ならいくらでもあるわ。もっと一緒にいられるのよ?』
だから気づかなかった。
私以外のあの一人に。
『ふうん。あんただったの、化け物の飼い主。』
『――っ!?シャローズさん!?何で此処に!?』
咄嗟にドミニエを庇うように前に出た。
『ディエル様はお優しい。』
何が言いたいのか分からなかった。
『あの方は貴様には釣り合わない。お前から手を引け。お前があの方のご家族の命を奪った!お前こそ化け物だ!!』
ガルルルルル
ドミニエが低く唸り、シャローズが剣に手をかける。
『止めてっ!!』
『ほら、躾がなっていないな!ディエル様に報告する!嫌われたな、ルカ・スロイスト。』
シャローズが去っていく。
足音が完全に消える前に、膝から一気に力が抜けたように倒れこんだ。
『うっ…ひっく……。うえっ…うああぁぁぁっ!!!』
大声で泣いた。
ドミニエがすりよって来てくれた。
『ありがとう…ドミニエ…ありがとう……!!』
泣いた。
不安で。
泣いた。
それから暫くして。
『ディエル様は部屋にはいらっしゃらないのです。』
『そう。』
渋々帰ることにした。
その途中。
『ディエル様、昨夜はありがとうございました。』
シャローズの声だ。
『ごめん、痛くなかった?途中で抑えきれなくなって。』
『いいえ。とても上手くて。他の人をとっかえひっかえでもなさってたんですかぁ?』
『ええっ!?』
『フフっ。冗談です。ねえ、ディエル様、また、抱いてくださりますか?』
『うん。でもルカには』
『内緒です。私と結婚してくださるのでしょう?』
『うん。シャローズ、愛してるよ?ルカは、皆を殺した。彼女には死んでもらう。苦しみながらね。』
『良かった。あの人は化け物ですもの。そうよ。助けを乞うまで、いいえ、乞うても助けないで見るの。あんな化け物には似合いの死に方ね。』
私は裏切られた?
ディルに、愛する人に、大好きなのに
殺される?
酷い。
酷い酷い酷い!
殺してやる!!
私を裏切る奴、殺そうとする奴。
みんなみんな殺してやる!!
これは私があの儀式をしようとする
三日前のことだった。
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