シャーペンの芯を食べる私。9話
「っ!血が出てるじゃないか?!確か…絆創膏が…あったはず」
純君は私の肩から血が流れているのを見て、顔を青くしていた。
どうして、この人は私なんかの為にこんなに必死になってくれるのだろう。
私は……
あなたという人間がよく分からない。
「……純君……」
無意識に彼の名前を呼ぶ。
「蒼子、なんだ?まだ何処か痛いのか?」
ほら、またそんな優しい笑顔を私にくれる。
あなた……ずるい。
「じゅ……っ北岡君。私なら大丈夫だか……ら!!」
私は彼の手を振り払い、勢いよく走り出した。
純君……いや北岡君の顔を見ていると
なんだか
胸が苦しい。喉も痛い………今、ものすごくシャーペンの芯が………………食べたい!
「はぁ……はぁ…」
私は欲に耐えきれず、近くの公園に飛び込み、文房具屋で買った、シャーペンの芯の袋を全て開け……
ガリガリ
ガリガリ
ガリガリ……ガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリ……
貪る様にシャーペンの芯を食べた。
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