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ディフェンド? ”新たな武器” 39

[274]  2006-09-17投稿
 「そ、そんな・・・弓が・・・」
 李那は、全身の力が抜けてその場に座り込んだ。その姿を見てキリヤは、ニッと笑う。
 「これで、戦えない・・・かな?」
 「くっ・・・」
 李那は、粉々になった弓砂と一緒にグッと握った。そして、キリヤをにらむ。
 「そんな怖い顔すんなよぉ」
 キリヤは薄く笑った。そして、右手を前に突き出した。
 「決着といくか・・・」
 
 ズォォォォォォォォォ

 「!」
 勢いよく砂が飛び出してきた。その砂はゆっくりと李那の体を包んでいく。
 「でられない・・・」
 李那がどんなに砂をかいても、砂は李那の体を包もうとする。
 「無駄だよ。そんな事したって逃れられない」
 「うっ・・・」
 息がしづらくなってくる。李那は目を強く閉じた。それと同時に、李那の体全身を砂が包んだ。
 「このまま、つぶすよ・・・」
 そのキリヤの顔が少し見えた。そして、李那の目の前が真っ暗になった。

 私・・・死ぬの?

 『李那。御前、すごくかっこいいよ』

 啓・・・様・・・。
 
 啓吾の言葉が頭の中に蘇ってきたとき、李那の右手が温かくなって黄色に光っていた。それは、キリヤにも見えた。
 「な、なんだ・・・。この光は?!」

 バァァンッ!!

 李那の体を包んでいた砂は、大きな音を立ててはじけた。
 「皆の思い・・・、無駄にはしない!」
 李那の声が聞こえる。李那の右手には、銀色の弓が握られていた。

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