秘密の関係
この西高は、教師と生徒が付き合っているらしい
…
そんな噂を小耳にはさみながら、俺、矢野啓太は足早に学校へと登校した
靴箱で素早く上履きに履き変えるとそのままトイレへ直行。
用をたしたくてトイレに来た訳ではない。
目当ては、そう…
「やっぱり、シワが寄ってる…」
そう鏡を見つめながら眉間のシワを伸ばすようにぐりぐりと手で押さえ付ける。
この眉間のシワができるようになったのは全て…
「ヒメカのせいだ…」
はぁ、と深いため息をつくとトボトボと重い足取りで階段を上っていく。
ここ最近の俺の悩みはなんでしょうか??
答えは、この部屋に入ったら分かる。
<相談室>と書かれた部屋の扉をノックもせずに勢いよく開け放すと、そこには案の定、いつもの二人組がいた。
上半身が半裸の女と、その上に馬乗りになっている…こちらも半裸の男。
二人の動きがピタリと止まる。
そんな二人の光景は最近見慣れているので、動揺はしなかった。
ただ一つわざとらしく咳ばらいをすると、俺は女と男に話しかけた。
「朝っぱらからイチャつくのはやめろよ、姫花」
「ぅ、…ご、ごめん…」
「あんたもあんただよ、生徒を相手に恋愛感情を抱くって、どうかと思いますけど。すっかり噂になってるし…そこは、ちゃんと考えて欲しいですね、…笹木センセイ?」
「…あぁ、そうだな。お前の言うとおりだよ、矢野。今後、気をつける」
それだけ言うと、男は…
笹木先生は、その場を去っていった。
残された俺とヒメカは、しばらく無言のまま見つめ合った。
「姫花、いい加減にしろよ…ほんと」
先に沈黙を破ったのは、他の誰でもなく、この俺
「…、」
「教師と生徒との恋愛はしたらいけないんだぞ。わかってんのか??」
「…わかって、る」
そう、この姫花とさっきの男−笹木先生−が付き合っているのが、事実。
だから、噂はウワサじゃなくて、ホントなんだ
なんて、勿論、誰にも言えないけどな…
それがヒメカなら尚更だ
姫花は、俺の幼なじみ。俺が守ってやらなくて、誰が守るって言うんだよ
くしゃり、と無造作に髪をかきあげるとヒメカに急いで教室へ来るように伝え、俺もそそくさと自分の友達の待つ教室へと向かったのだった。
…
そんな噂を小耳にはさみながら、俺、矢野啓太は足早に学校へと登校した
靴箱で素早く上履きに履き変えるとそのままトイレへ直行。
用をたしたくてトイレに来た訳ではない。
目当ては、そう…
「やっぱり、シワが寄ってる…」
そう鏡を見つめながら眉間のシワを伸ばすようにぐりぐりと手で押さえ付ける。
この眉間のシワができるようになったのは全て…
「ヒメカのせいだ…」
はぁ、と深いため息をつくとトボトボと重い足取りで階段を上っていく。
ここ最近の俺の悩みはなんでしょうか??
答えは、この部屋に入ったら分かる。
<相談室>と書かれた部屋の扉をノックもせずに勢いよく開け放すと、そこには案の定、いつもの二人組がいた。
上半身が半裸の女と、その上に馬乗りになっている…こちらも半裸の男。
二人の動きがピタリと止まる。
そんな二人の光景は最近見慣れているので、動揺はしなかった。
ただ一つわざとらしく咳ばらいをすると、俺は女と男に話しかけた。
「朝っぱらからイチャつくのはやめろよ、姫花」
「ぅ、…ご、ごめん…」
「あんたもあんただよ、生徒を相手に恋愛感情を抱くって、どうかと思いますけど。すっかり噂になってるし…そこは、ちゃんと考えて欲しいですね、…笹木センセイ?」
「…あぁ、そうだな。お前の言うとおりだよ、矢野。今後、気をつける」
それだけ言うと、男は…
笹木先生は、その場を去っていった。
残された俺とヒメカは、しばらく無言のまま見つめ合った。
「姫花、いい加減にしろよ…ほんと」
先に沈黙を破ったのは、他の誰でもなく、この俺
「…、」
「教師と生徒との恋愛はしたらいけないんだぞ。わかってんのか??」
「…わかって、る」
そう、この姫花とさっきの男−笹木先生−が付き合っているのが、事実。
だから、噂はウワサじゃなくて、ホントなんだ
なんて、勿論、誰にも言えないけどな…
それがヒメカなら尚更だ
姫花は、俺の幼なじみ。俺が守ってやらなくて、誰が守るって言うんだよ
くしゃり、と無造作に髪をかきあげるとヒメカに急いで教室へ来るように伝え、俺もそそくさと自分の友達の待つ教室へと向かったのだった。
感想
感想はありません。