トクベツなキモチ‐ラスト‐
ポツッ―…
雨―…?
いや、ちがう。
自分の涙じゃん。
何で泣いてるのか自分でもよくわからない。
ただ“海翔に会いたい”
それだけをおもっていた。
私が自分の涙を拭おうとしたその時、
ぎゅ…―
海翔が抱き締めてくれた。
海翔は急いで走ってきたせいか、
息切れをしていて、体がとても熱かった。
『―…かい…と』
「―…ん?」
『私、海翔のコト好きだよ……』
私は強く抱き締めた。
海翔も私を強く抱き締めた。
「―…俺も、」
『…え?』
「俺も好きだよ?…--」
私は涙が止まらなかった。
夢みだいだった。
ずっと片想いだと思っていた相手が
今…、いまここで
自分のことを“好き”と言ってくれている。
『こんな…―、こんな私を好きになったの?』
「こんななんて言うなよ……
俺の初恋のおまえなんだから―…っ」
その時、私の涙が頬をつたるのがわかった。
その涙を海翔は手で受け止めてくれた。
もう夜になっていた。
それから私達は星空の下でゆっくりと
一歩一歩、
同じペースで、歩いた。
手を繋いで、
昨日とは違う私達で。
おしまい.。o○
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