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君がいたから?

[423]  MINK  2006-09-17投稿
雨の音で目が覚めた。
シトシト…
目は覚めたのだが、起き上がる気にはなれなかった。
昨日の出来事が夢だったのではないかと思いたかった。
目が腫れているのが分かった。
でも、今日はやっぱり訪れてもう一日が始まっている。
昨日は過去となってしまった。
私は、未だ昨日を過去に出来ていないでいた。
ただ、30歳にもなって失恋ごときで会社を休むわけにもいかなかった。
そう思って勢いよく体をベッドから起こし、パンパンに腫れた目を元に戻す作業に取り掛かった。
若い頃は、立ち直りも切り替えも早かった。
ただ、今の私は駄目だった。
立ち直りも切り替えもできていなかった。
そんな自分が情けなくなった。
鏡の前に座り支度をし始めた時、不意に昨日の事を思い出した。

「お前にとって、俺って何なの?」

彼が言った。正しくは元彼だが。
私は、答えられなかった。
甘えることさえも涙を流すことさえも言い訳をすることさえも出来なかった。
私は、可愛い女にはなれなかった。彼を頼る女になれなかった。
心のどこかで一人で生きていく事に慣れていたし、一人で生きていけると思っていた。
実際に、私は人より強い女だと思う。
そして、人よりも少しだけ涙脆いと思う。

窓の外の雨はシトシトと降り続いていた。
私は、化粧をしていた手を止めて窓の外に目をやった。
やっぱり、どうしても会社に行く気にはなれないでいた。

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