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屋根の上 2

[730] をん 2012-05-16投稿

宮城春樹は、謎だらけの男だ。

一応僕とタメで、同じ春日井高校に通う2年生なのだが、何故か制服を着ない。

不良が制服を着崩す、とはまた違う次元で、制服を着ない。



変形のガラシャツにレザーのライダース、真っ黒のスキニーに14ホールの、厚底ワインレッドのブーツ。


これが彼の普段着だ。

ちなみに僕は制服だ。



意味がわからない。


何故彼が、そんなロックな服装で登下校するのかも謎だが、それを注意しない学校側も謎である。

噂では、彼は理事長の息子だっり、あるいは教員全員を黙らせる弱味を握っていたりする。


そういう訳で彼は謎だったりする。


そんな彼と僕が、唯一出会う場所が屋上である。

この町で一番空に近い、僕達の逃げ場だった。

昨日までは。




「自殺か事故死か他殺か
知らねぇが、屋上閉鎖は
いかんだろ」

春樹がぼやく。




という訳で僕達は探偵になった。

事故の真相を暴き、屋上を取り返すために。



早いとこ終わらせよう。

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